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お風呂

2005年5月9日(2009年4月12日加筆)


 一日の疲れを取るのに、お風呂はとてもリラックスできる場所の一つです。中にはラジオやテレビ、本までをも持ち込んで長時間入浴する人もいるようです。日本人はとてもお風呂好きな国民とも言われており、昔から大衆浴場は人気の社交場の一つであります。
 しかし、お風呂や温泉に長時間入った次の日、目覚めが悪かったり、だるさが残る人はいないでしょうか?
 これは、長時間のお風呂によって、身体の気の巡りが乱れたり、気が不足する現象でもあります。
 長時間お風呂に入った場合に起きる気の乱れの説明に入る前に、我々の身体に備わっている機能をみていきます。まず、我々の身体には、体温や脈拍などが常に一定であるように保とうとする機能があります。例えば夏の暑い日は、暑くなった身体を冷やそうと汗をかいたりしますし、逆に冬は体温を逃さないようにと、汗腺は閉じますが、これらの身体の働きは、季節の変化に対応しようとする身体の作用です。一年の四季という大きなスパンで見た場合にも、このような身体を一定に保とうとする機能が働いていますが、日常的にこのような機能が、常に私たちの身体に働きかけています。常に一定の割合で身体を調整しようとする機能を、専門的には恒常性維持機能(ホメオスタシス)と呼んでいます。このホメオスタシスは、環境の変化だけでなく、運動のときにも常に機能しており、体温、脈拍、呼吸の数は運動量に合わせて調整されていきます。例えば運動時は急激に体温が上がっていき、同時に脈拍も早くなります。そして、それにつれて体温を下げようとして汗をかき、そして息ははあはあと荒くなり、必要な酸素を増やそうとし、余分な二酸化炭素を吐き出そうとするため、呼吸数は増えていきます。この機能があるからこそ、身体は運動の状態を乗り越えることができます。

 ではお風呂の場合はどうでしょうか?
 お風呂は長時間入っていると体温が上がり、脈拍が上がっていきます。しかし、呼吸はいつもと同じであります。身体は体温と脈拍が上がり、興奮状態に向かっているのにもかかわらず、呼吸の数はその興奮状態に比例することなくそのまま一定です。お風呂に入っている時は、運動をしている時と同じように、体温と脈拍が上がっているので、呼吸の数もそれに合わせて増えていく必要がありますが、お風呂の場合はそれができません。そのため身体に取り込まれる気(ここでの「気」は単純に酸素)は不足し、吐き出す気(ここでの「気」は二酸化炭素)も不十分です。このような状態で長時間お風呂に入るということは、呼吸という面から、身体に負担をかけていることになります。つまり、身体の中の気の乱れを作っていることになります。昔のように肉体労働中心の生活であればそれでも十分なのですが、気を使う精神労働の多い現代社会において、このようなお風呂の入り方をしていますと、気が乱れますので、時には気力を低下させることにもなりかねません。特に長風呂をした翌日の朝目覚めが悪い人は、普段から気を使っていることが多く、気が充実していないと思われるので、長時間の入浴はお控えくださることをお勧めします。また体質的に痩せ型の方など、体力が少ない方なども、長時間の入浴は避けることが無難な場合も少なくありません。以上のことからも、お風呂の入り方について、もう一度自分の体質と併せながら考えてみて欲しいと思います。

 ただし、お風呂のリラックス効果は捨てがたいものです。冬には身体を温める時もあります。最近は個装された入浴剤を単品で買えるようにもなっているので、ひと時の休息を楽しむことも必要かもしれません。そこで全くお風呂を利用するなとも言えませんので、まずは自分の体力とお風呂がどのような関係にあるかを試してみてください。そして例えば次の日が休みの場合の前日は、ゆっくり入ってみるなど入り方の工夫をしてみてください。そして鍼灸治療を受けながら食事を整えるなどのケアもしておくことも大切な場合もあります。何事もほどほどに、過ぎたるは及ばざるが如しということで、お風呂の入り方も加減をしてみてください。

お風呂の浮世絵

参考文献・参考図書

LinkIcon『黄帝内経・素問』
LinkIcon『黄帝内経・霊枢』
LinkIcon『陰陽五行説 その発展と展開』 根本幸夫・根井養智著 じぼう
LinkIcon『標準東洋医学』 仙頭正四郎著 金原出版


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初心者にお薦めの本

『やさしくわかる東洋医学』 根本幸夫著 かんき出版社

『東洋医学のしくみ』 関口善太著 日本実業出版社

『クロワッサン漢方・ツボ・薬膳・気功の本』