東洋医学の鍼灸院は、表参道・青山にある源保堂鍼灸院へ(東京都内の鍼灸専門院) (C)表参道・青山・源保堂鍼灸院

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ツボ療法を超えて(2)

2004年9月30日(2009年3月20日改訂)


 先日ある患者様の治療をしているときに、「瀬戸先生、やる気がぜんぜんでないので、やる気の出るツボに鍼をしてくれ。」と言われました。患者様からこういった注文はよくあることなのですが、決まったツボがあるわけではありませんので、正直お答えするときに窮することも、かつてはよくありました。
 このときも同様にどうしたらいいかなぁ、困ったなぁと思いながらも、当院が推奨している鍼灸の原点である「本治法(ほんちほう)」を施しました。そしてその後、「わかりました・・・じゃあ、ここのツボがそうですからね・・・」といってツボのない場所に手を運び、さらに鍼を刺入せずに鍼を刺すふりだけをしました。すると患者様は、「ああ、すっきりした。なんか元気が出てきました。」と答えてくれました。しかし鍼もツボも使っていませんので、これは治療中に本治法の効果がその場で出始めたために楽になったものだということが分かりますが、患者様にとっては、精神的に効くであろうツボに鍼をしてくれたから楽になったという、プラセボ効果(暗示)でもあります。
 私は患者さんに「先ほどのツボは、ほんとは鍼を刺してないんですよ。実は触った箇所もツボとは何も関係のないところなんです・・・」と正直にお話ししました。そうしますと、患者様は「私を素人だと思って適当な治療をしたのですか!」と怒ってしまい、無言のまま私は患者様の家を後にしました(当時は往診専門で、患者様の家のお邪魔させていただいて治療をしておりましたので)。
 これでこの患者様を診ることはもうないだろうなと思ったのですが、後日再び予約の電話が入り治療をしに行きました。すると患者さんはにこやかな顔で、「先日は失礼しました。先生に怒って大きな声を出した後、気持ちがすっきりしたんです・・・。食欲も出始めて・・・。」とおっしゃってくれました。私は何も気にせず「ああ、そうですか、それはよかったですね~。」と答えて、その日もいつもの本治法(ほんちほう)を治療させていただきました。
 この患者様の病因は、最近落ち込むような出来事があり、そのことが忘れられずずっと悲観して、感情が乱れために起こったものでした。体調を戻すためには、この悲しみを、少し怒りのような感情で吹き飛ばし、そして声を出すことで癒す必要もあり、さらにはそれをそれを補うための食欲が出なくてはいけなかったのです。
 このような感情と臓器の対応関係は、東洋医学の五行論と診断方法から導かれるもので、しっかりとした学問体系を基にしています。このケースで私はそこまで考えて患者様を怒らせたわけではないのですが、ツボ療法がいかに曖昧なものであるかをわかっていただこうとしたことが、結果的に患者さんを治癒に向かわせていきました。同時に東洋医学の良さを実感してもらえたことは、災い転じて福となす、であったとそのとき胸をなでおろしました。そして学問を基にした治療体系である本治法は頼りがいのある治療法であることを再認識したのであります。

資料
五行と五臓・感情の関係

五行
五臓
五志 憂思 恐驚
※ 感情と五臓の関係は、この表のように分類されており、各五臓と各感情はお互いに影響しあっています。例えば弱っている臓器を助けてあげることで、乱れた感情を調えたり、逆に感情を調えてあげることで五臓のバランスを回復することができます。臨床(治療)の現場ではこのあたりも考慮して治療(ツボの選択も含めて)を進めていきます。


より深い理解のための参考図書

LinkIcon『鍼灸の挑戦-自然治癒力を生かす』 松田博公著 岩波新書
LinkIcon『東洋医学を知っていますか』 三浦於菟著 新潮選書

より深く学びたい方へのサイト

LinkIcon『東洋医学・鍼灸を学ぼう!』

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