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コラム 東洋医学って何?
第6回〜第10回

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第6回
体温
2004年11月18日
第7回
回数について
2004年12月16日
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花粉症
2005年3月17日
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五月病
2005年4月13日
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お風呂
2005年5月9日
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コラム
『東洋医学って何?』

体温 2004年11月18日
 
 免疫の働きは普段の体温に左右されると言われている。
 冷たいものの飲みすぎや、旬を忘れた生野菜の摂食など、我々の環境は身体を冷やす方向へ進んでいる。こういう環境の変化を背景に、昨今体温が低下している人が増えているといわれている。患者さんでも冷え性を主訴の一つに挙げる方も多い。たとえば胃液などの酵素が働く最適温度は40度〜45度といわれているが、食事をする時に冷えたビールを飲むとすると、一気に酵素の活性化は落ちることになる。このように単純に消化力を見ただけでも、身体の冷えや体温の低下は、免疫力を含む身体の諸機能に大きな影響を与えるということが分かるであろう。
 ある女性の患者さんであるが、当初は偏頭痛と月経前の不快症状を訴えて治療を始めた。鍼灸本治法を施し、旬にあった食事を心がけること、お肉などのたんぱく質も適宜とるようにと生活指導もしながら治療を進めた。週1回位のペースで治療をしたが、治療を受け始めて約一月後、頭痛もおさまり、月経前の不快症状も軽減した。この患者さんは自主的に基礎体温を毎日測っていたため、治療を続けてきた一月間の基礎体温の変動もメモしていたのだが、その結果0.4度上昇したと報告してくれた。そしてさらに治療を続けたところ、30〜35日あった生理の周期は、28日という正常な周期に戻っていき、また主訴であった頭痛や月経前の不快症状などもなくなっていった。
 女性の場合、特に冷えでホルモンバランスを崩すことも多く、体温が低下することは女性にとって大敵となるのである。女性の場合ひえは顕著に身体の症状となって現れるが、男性にとっても冷えは大きな影響を与えるものである。季節の旬に合わせた食事、身体を気遣った食べ物のとり方を心がけることが必要である。
 鍼灸治療で五臓六腑のバランスが整うことで体温も上がる素地をつくることができるが、それをしっかり支えるように、普段から冷たいもの飲みすぎは極力控え、冷える食材を取りすぎないように生活全体を心がけることが同時に必要なことである。


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回数について 2004年12月16日


 「鍼灸治療はどのくらいの回数を受けたらよいのか?」とよく聞かれます。これはたいへん難しい質問です。それは、鍼灸治療は全体の体調が整ってきてはじめて治療効果が長続きしてくるためです。また、その人の体力、生活習慣、健康への心がけなどによって効果にばらつきがあるため、はっきりと伝えられないものです。そして、当院の本治法は天地人、季節の巡りを念頭に置いた治療理論ですので、季節の変化なども病の治療経過の考慮されていきます。。
 もちろん一回の治療でも体が軽くなる、お腹が柔らかくなる、呼吸が楽になるといった効果は現れ、体は健康な状態に向かいます。しかし、一度悪い方向へ傾きかけた体は、一回の治療で良くなっても、悪い方向へ傾きやすくなっているので、効果は長続きしません。やはり効果を持続するためには、治療と治療の間隔をあけずに治療回数を多くして、一度悪い方向へ傾いた身体を健康な方向へ方向転換してあげる必要があります。表面的な症状だけでなく、深いところにある病の原因を根っこから治すためには、治療の間隔を空けずに継続した治療を受ける必要があります。
 例えばぎっくり腰や二日酔いの胃もたれのような昨日、今日現れたような症状は、壊れているところも少ないので一回で著しい効果が出て治癒することが多くあります。
しかし、糖尿病、高血圧症、動脈硬化、肝臓疾患などの体の中からくる病、また、内臓の不調和から起きる頑固な肩こりや頭痛などの不快症状は、一回や数回で総てがよくなるほど、鍼灸は魔法ではありません。例えば病院でいただいた薬は朝晩毎日欠かさず飲んで効果が出るのですから、病を治そうとしていて受けている鍼灸治療もまたそれなりに継続して回数を受けていただきたいと思います。
 治療だけでなく、同時に季節に合わせた食事をするなど、治療効果をしっかりと体が受け取れるように適切な生活習慣もの改善も必要です。当治療院では、鍼灸本治法だけでなく、東洋医学の理論に基づいた生活習慣の提案、食事指導もしております

 本治法が体にやさしく、効果のある治療法ということを実感していただくためにも、最初は3〜6回くらい、なるべく間を空けずに治療を受けていただくことをお勧めします。

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鍼灸治療・東洋医学の古医書の一つである『図註難経』二十三難より−(C)東京・表参道・青山・源保堂鍼灸院


花粉症 2005年3月17日
 
 春の訪れは冬の終わりであり、自然界も明るさを増し、気持ちも華やかになっていく。しかし、花粉症の方にとっては憂鬱な季節の始まりでもある。そしてこの季節になると「花粉症は鍼で治りますか?」という質問を受けることも多くなる。これまでのこのコラムを読んでいただいた方にはもうお分かりと思いますが、「花粉症に効くツボ」はありません。それでは、「鍼灸は花粉症に効くのか?」という質問ではどうだろう・・。これはまた難しい質問であるが、鍼灸東洋医学の立場から考察してみると、私は「花粉症は粘液不足」と解釈している。鼻にある粘膜がしっかりした粘着度のある粘液を出すことができれば、粘液が花粉をキャッチして花粉症は起こらない。しかしその逆に粘液が弱いと花粉はキャッチできず、粘膜を刺激してくしゃみや目の痒みを引き起こすことになる。では、どうして粘膜の粘度が落ちるのだろうか・・・。それは冷えや甘いものの食べ過ぎ、そしてたんぱく質摂取の不足である。この点を注意しながら生活習慣を変え、そして同時に体の中の栄養が巡り、代謝が良くなるよう鍼灸治療受ければ花粉症は改善されていく。さらに、そういった生活習慣だけでなく、同様に注意を払うべきなのは、季節の過ごし方である。春の前には当然冬が来るのだが、冬にどういう生活をしたかによって春の体質が決まる。そしてその次に、春にどういう過ごし方をしたかで夏の体質が決まり、同じように秋、冬と順番に繋がり、そして再び春を迎える。このように、季節には切れ目はない。今現在ある体質は、その季節の前にどんな生活をしたかによって決まってくる。
 以上のことを考えてみると、花粉症が出始めたときに治療を始めたのでは、体質改善にはちょっと遅いい。できるだけ早い段階での治療を継続的に受けていただき、そして食事に気をつけて、春に向けての身体づくりをすることが大切です。もちろん花粉症になってから来ていただいても身体は治る方向に向かいますが、できるのであれば早め早めの対処が大切になってきます。
 季節は切れ目がありません。そして身体もその季節に沿って生きて、生かされています。花粉症のような季節の病を診ていると、特にそのようなことを感じることができます。

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五月病 2005年4月13日
 
 
GWを間近に控え、心もゆとりが出てくる季節であるが、一方では「五月病」と呼ばれるように、特にこの時期に限ってやる気を失ったりする人も多い。最近では「うつ病」「うつ」という言葉が普通の会話の中にも出てくるようになり、また、若い世代の間では「プチうつ」という軽い感じで「うつ」という言葉が抵抗なく使われることもあるという。そんな今の言い方からすれば、この「五月病」は昔からある「プチうつ」の一種なのかもしれない。
 しかし、東洋医学の古医書によると、軽いやる気のなさ程度は「うつ」には入らないし、ましてや「プチうつ」程度のものは何をかいわんやである。東洋医学で捉える「うつ」とは、背中を丸めて歩幅を狭く歩き、また言葉や会話がおかしいことを指す。普通に会話が出来て社会生活が営めれば、「うつ」ではない。
 それでは五月病のような、この時期に限って起きがちな倦怠感はどうして起きるのだろうか?それは、この春の時期に肝の気が旺気するからである。2月の立春を境に自然は春を迎え、徐々に陽の気を増やして本格的な春に向かっていく。この春に元気になるのが肝臓である。東洋医学では五臓六腑を性格わけするのであるが、肝は将軍に当てはまる。将軍は国の軍隊の統率者で、作戦を練ったり謀議を行うところである。さらに、感情で分類すると肝臓は怒りに分けられる。つまり、この春の時期になると、肝臓の働きがいつもの季節よりも盛んになるわけである。軍隊が勝手に動き出したら国が滅びるように、体の中の軍隊である肝臓が元気になりすぎるのも問題である。
暴走しかけている肝臓の働きを、肝臓以外の臓器が抑えてあげればいいのだが、身体のバランスを崩している人は、その抑制が働かないのである。こういったことから、身体は興奮した状態になり、五月病のような倦怠感や焦燥感のようなものを起こすのである。
 身体はこのような状態になっているところに、春は環境の変化が多い季節であるので、それに伴った感情の動きが身体に負荷(ストレス)をかけてくる。ストレスの原因は本人の心の持ちようが作るものであり、我々術者はそこまで手を出せないが、鍼灸治療を受け、食事も良いものに変えていくことで、ストレスに対処する正気を出すことは出来る。そしてその結果としてストレスの受け止め方に余裕が出てくるため、倦怠感も改善されていく。
 きれいな新緑の季節の前に、身体のメンテナンスをして、晴れ晴れとした気持ちでこの季節をお過ごしになることをお勧めします。

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五行
五運 長夏
五臓
将軍 君主 倉廩 宰相 作強
※『黄帝内経』 の【霊蘭秘典論】には、五臓六腑の各働きを当時の中国の役職名などを使って喩えている箇所があります。たとえば肝臓の記述は「肝者将軍之官。謀慮出焉」とあります。


お風呂 2005年5月9日

 一日の疲れを取るのに、お風呂はとてもリラックスできる場所の一つです。中にはラジオやテレビ、本までをも持ち込んで長時間入浴する人もいるようです。
 しかし、お風呂や温泉に長時間入った次の日、目覚めが悪かったり、だるさが残る人はいないでしょうか?これは、身体の気が不足する現象でありますがが、これを今日は説明してみようと思います。
 我々の身体には、体温や脈拍などが常に一定であるように保とうとする機能があります。例えば夏の暑い日は暑くなった身体を冷やそうと汗をかいたり、逆に冬は体温を逃さないように汗腺は閉じようとして季節の変化に対応しようとします。このように、体温・脈拍・呼吸数は常に一定の割合で調整する機能を、専門的には恒常性維持機能(ホメオスタシス)と呼んでいます。このホメオスタシスは、環境の変化だけでなく運動のときにも常に機能しており、運動時は急激に上がる体温と脈拍、それにつれて汗を多量にかき、そして息ははあはあとなって呼吸数は増えていく。そのため多少苦しくてもなんとか身体は運動の状態を乗り越えることができます。
 ではお風呂の場合はどうか?お風呂は長時間入っていると体温が上がり、脈拍が上がる。しかし、呼吸はいつもと同じであります。身体は興奮状態に向かっているのに、その興奮状態に比例することなく呼吸数はそのままのため、身体に取り込まれる気(ここでの「気」は単純に酸素と理解されてもかまいません)は不足し、吐き出す気(ここでの「気」は二酸化炭素)も少なくなります。このような状態で長時間お風呂に入るということは、呼吸という面から、身体に負担をかけていることになります。昔のように肉体労働中心の生活であればそれでも十分なのですが、気を使う精神労働の多い現代社会では、このようなお風呂の入り方は気力を低下させることにもなりかねません。特に長風呂をした翌日の朝目覚めが悪い人は、普段から気を使っていることが多いと思われますし、気が充実していないと思われるので、長時間の入浴はお控えくださることをお勧めします。ただし、お風呂のリラックス効果は捨てがたいので、絶対入るな!、ともいえません・・・。しかし、体力がなくなっている証拠でもあるので、その場合は治療を受け、食事を整えながらお風呂の入り方を工夫する必要があります。
 お風呂もそうですが、何事もほどほどに・・と言うのがいいのでしょうか・・。

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