東洋医学の鍼灸院は、表参道・青山にある源保堂鍼灸院へ(東京都内の鍼灸専門院) (C)表参道・青山・源保堂鍼灸院

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ツボ療法を超えて(3)

2004年10月5日(2009年3月20日改訂)


 「そもそもツボって何だろうか?どうして効くのだろうか?」という疑問は、古くて新しい問題として常に存在しています。我々臨床家にとっては、ツボは“効くもの”“存在するもの”として、その効果に疑問を持つことはなく、病気を治すためにいかに運用をしていこうか、いかに活用していこうか、ということに集中します。一方大学や研究所における研究では、ツボを証明するために、神経生理学の立場から解明を試みたり、様々な角度から考察を重ね、ツボ解明のための科学的試行錯誤が行われています。しかし未だにその全てを明快に解明するには至っておりません。また、ツボというものは我々鍼灸師にとっては大切なものですが、広い医学という視点から見ますと、それほど重要な位置を占めているわけではありませんので、ツボを研究する方も少ないのではないでしょうか。 しかしツボとは不思議なもので、そして人体もまだまだ解明されていないことも多く、その不思議な現象は、まさに「身体は小宇宙」という言葉に象徴されるように思います。
 古来の人々はどのようにツボを発見していったのでしょうか?おそらく最初は、狩りに出かけ足をくじいたような外傷時に、その痛い個所に手を当てたり、その周囲に手を置いたりして痛みがやわらぐことを経験的に学んでいったのが初めだと思われます。そして患部に手を当てることが、自然と「手当て」という言葉につながっていったのでしょう。それがさらに進んで、手当ての「手」を、誰かが松葉、魚の骨などに換えて、“治療道具”としての鍼の原型が生まれていきました。現代のように細い銀鍼(ぎんしん)を加工する技術がない頃は、 へん石と呼ばれる先の尖った石なども用いられました。こういった外傷の治療をしていくうちに、お腹が痛いとき、咳が止まらないとき、といった様々な内科的な身体の不調にも、同様に自然と手当てを応用していき、その過程で、「なるほど、確かにここは咳に良く効くなぁ」とだんだんと解明されていったのだと思います。
 一般的に考えられています、症状とツボをつなげたツボ療法は、そういった手当て療法の原点だと思います。「ツボ療法(1)(2)」ではツボ療法の曖昧さを綴ってきましたが、こういった「手当て」の原点を考えてみますと、ツボ療法にももちろん意味はあり、効くこともあります。例えば昔から言われていますように、「胃には足三里」「面ちょうには合谷」というように、特異的に著効を現すツボも確かに存在します。古医書の中にもそういったツボの効能を集めた本や、項目もたくさんあります。それも時には治療の参考になることも、もちろんあります。
 しかし当院が施術しています「本治法」とは、ツボ療法に留まらない全身の経絡を作動させる治療システムです。「身体は小宇宙」、摩訶不思議なものでありますが、古人がツボを探索し、経絡というものを体系づくって行く中で、同時に、治療の効果を高めるためのシステムも考案されていきました。その一つが「本治法」で、これはツボ療法の域に収まるものではありませんし、この症状のときはこのツボというほど単純なものでもありません。広大無辺な身体のバランスを、いかに戻していくかという東洋医学の智慧の結晶とも言えるものです。
 昔の鍼医者たちも、ツボだけで病気が治るわけではないことを痛切に実感していたようで、それは、病因や病気の成り立ち、身体の陰陽、そして身体と自然や季節をつなげる思想体系など、ツボ以外の記述や解説が、ツボの解説よりもはるかに多いことを見ても分かることです。そして、「身体や病を明らかにするのはこれでは不十分で、後世の人々にさらなる研究と発見を期待する」という文章を目にすることもあり、まだまだ人体は奥が深く、そして東洋医学、鍼灸医学といったものも奥が深く、まだまだ研究していく余地があるということです。
 東洋医学は、古くて新しい問題がたくさんあります。自然と人間の身体の関係を観察した先人の学問を、臨床の中に活かしていくことが、ツボ療法を超えていく指針の一つになると痛感しています。

【資料】
五行の相生・相尅関係
陰陽五行の相生・相剋の模式図 (C)表参道・青山・源保堂鍼灸院

より深い理解のための参考図書

LinkIcon『陰陽五行説 その発展と展開』 根本幸夫・根井養智著 じぼう社
LinkIcon『「気」で観る人体-経絡とツボのネットワーク』 池上正治著 講談社現代新書
LinkIcon『東洋医学を知っていますか』 三浦於菟著 新潮選書
LinkIcon『図説 東洋医学 基礎編』 山田光胤・代田文彦著 学研

より深く学びたい方へのサイト

LinkIcon『東洋医学・鍼灸を学ぼう!』


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