東洋医学の鍼灸院は、表参道・青山にある源保堂鍼灸院へ(東京都内の鍼灸専門院) (C)表参道・青山・源保堂鍼灸院

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第34回 東洋医学とは?

2010年1月1日


 『東洋医学って何?』というコラムを書き続けておりますが、改めて「東洋医学とは何だろう?」と考えてみようと思います。

 まず、“東洋医学”という言葉はどこから来たのでしょうか?いろいろと調べてみたのですが、いつ頃から使われているのかはっきりしたことは分かりませんでした。そこで私なりに推測してみようと思います。

 まず結論じみたことを述べさせていただきますと、おそらく“東洋医学”という言葉自体はそれほど歴史は古くないように思います。おそらく古くても明治、大正くらいで、それより古いことはないと思います。といいますのは、江戸時代まで日本の医療は中国から移入されてきたものしかなく、それは湯液と鍼灸を総称したもので、漢方と呼ばれていきました。医療=漢方という一元の世界では、わざわざ医学を東西で分けて、東洋医学と呼ぶ必要はありませんので、“東洋医学”という言葉も必要ありませんでした。

 しかし江戸時代の後期、そのような状況の中、オランダ経由で別の医学が入ってきました。この医学は蘭方と呼ばれ、この頃から医学には二つの系統があるという認識が広がりました。そして開国するにつれて、急速にこれまでとは違う傾向の医療の情報が入ってきましたので、いっそうこの二系統の医療の違いは際立っていったのではないでしょうか。さらに時代が変わり明治に入りますと、国を挙げて社会全体の近代化(西洋化)が推し進められましたので、それまでの医療であった漢方は蚊帳の外になります。こういった背景の下、西洋からの医療とは別の医療という意味で、西洋医学との区別をつけるために、“東洋医学”という言葉が使われ始めたのではないかと思います。


 さて、そこで東洋医学といった場合に、どのような医療が含まれるのでしょうか?
 まず“東洋”という言葉は、どのような範囲を含むかと申しますと、「トルコから東のアジア全域を指す場合」や、「中東を除いた東南アジアから極東を漠然と指す場合」や、「ヨーロッパ中世・近世史では、ロシアやバルカン地域も含める場合」などがあります。東洋医学の本の中には、このような東洋という地域を表す言葉の範囲から、インドのアーユルベーダなども東洋医学に含めるものもあるようです。このように東洋という言葉は非常にその範囲が曖昧です。しかし東洋という言葉の意味がこれだけ曖昧ですので、この言葉を定義に使うと、定義そのものが曖昧になってしまうのではと思います。そこで個人的には、一般的な“東洋医学”という言葉が指すイメージで考えるといいのではないかと思います。現在一般的なイメージは、東洋医学=中国発祥の医学ですので、まずはこれでいいのではと私は思います。

 しかし東洋医学=中国発祥の医学だけでは、まだ少しニュアンスに不足を感じます。それは、西洋医学、東洋医学という対になる言葉のほかに、現代医療と伝統医療という対になる言葉があるからです。この二つの対の概念があるために、さらに東洋医学が分かりにくくなっているのは否めません。例えば西洋医学は現代医学そのもので、この二つは完全にイコールでつながると思います。しかし東洋医学のほうは、伝統的な治療方法と、現代解剖学を主体にした現代的な東洋医学もあるので、一概に東洋医学=伝統医療とイコールで定義をすることが難しくなっています。例えば腰痛の治療をするとしますと、同じ鍼という道具を使用しながらも、現代解剖学を主体にする鍼灸家は、解剖学的な知識を基にして、「○○筋肉の筋腹に鍼をして通電し・・・」という治療計画を立てますが、一方の伝統医療を主体にする鍼灸家は、経絡や五行、陰陽などの概念を用いて治療しますので、筋肉というよりは身体全体の調整をすることが主体になります。鍼という東洋医学の道具を使用しながらも、現代解剖学の考え方を主にした場合と、伝統医療を基にした場合とではかなりアプローチが異なりますので、東洋医学=伝統医療という図式が当てはまりにくくなってきています。

 現在様々な場面で使われている東洋医学という言葉は、実はとても曖昧です。そのため、何でもかんでも東洋医学という言葉を入れておけば、“安心”“やさしい”イメージになると思われているようで、東洋医学とは関係ないだろうというものにまで使われたりしています。東洋医学とは関係ないものが東洋医学と呼ばれることに、鍼灸という東洋医学を専門に行っているものとして残念でならないときがしばしばあります。

 もともと東洋思想・東洋哲学は相対的なものであったり、ファジイ(曖昧)なところをそのまま理解しようとするところがありますので、そもそも硬い定義をすることとは相性が悪いのかもしれません。現代医学的鍼灸があり、伝統医療的鍼灸があり、様々な鍼灸の形があるのは、ある意味曖昧ですが、ある意味では選択の幅が広がっているという意味もあると思います。そこに規制をかけないところが、東洋医学の今後の展開にはいいのかもしれないと思いつつ、多少は定義をしておいたほうがいいのではと、私自身も曖昧なところもあり・・・。しかし一人の治療者となって、治療院を構えている場合は、明確な方針を出しておくことは、患者様に選択をしていただくという意味では、とても大切なものだと思います。患者様におかれましても、これから通ってみようと思う治療院がありましたら、どんな治療方針で治療をしてくるのか、明確なカラーがあるところがよりよいのではと思います。

 と、ここまで書いてみましたが、『東洋医学とは?』という定義は一言では言えないように思います。敢えて言えば、この『コラム東洋医学って何?』を通して、おぼろげながらでも東洋医学の全体像が出てくればいいのかなと思う次第です。

鍼灸院を選ぶときの基準の一助として

鍼灸院で検索しますと、様々な鍼灸院が出てくると思います。その中から自分にあった治療院を選ぶためには、どの治療院が良いとか悪いとかという口コミ的な要素だけではなく、そこの先生がどのような治療方針でもって、身体を診てくるのかという治療の一貫性が大切になると思います。そこで本日の『東洋医学とは?』のお話しから考えられる治療方針の選び方をまとめておきます。

伝統鍼灸
伝統的な概念を使って治療する鍼灸。東洋医学の鍼灸といってもいいかもしれません。鍼灸学校では現代医学の勉強もしていますので、現代医学の知識も持ち合わせていますが、現代医学の知識は分析をするときに参考に使うことが多い。
現代鍼灸
現代解剖学など、現代的な知識を基に治療する鍼灸。東洋医学の概念をまったく使わない先生と、使う先生もいらっしゃいますが、こと治療に結びつく使い方をしているかどうかはその先生にもよります。
あれもこれも鍼灸
あまり明確な方針を感じられない鍼灸。治療に行く度に異なる鍼灸をされたり、あれもこれもメニューがばらばらな場合、先生の治療方針が明確でないことが多いように思います。あれもこれもどっちつかずでは、治療の効果も半減するように思います。

より深い理解のための参考図書

LinkIcon『黄帝内経・素問』
LinkIcon『黄帝内経・霊枢』
LinkIcon『東洋医学を知っていますか』 三浦於菟著 新潮選書
LinkIcon『図説 東洋医学 基礎編』 山田光胤・代田文彦著 学研

より深く学びたい方へのサイト

LinkIcon『東洋医学・鍼灸を学ぼう!』


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初心者にお薦めの本

『やさしくわかる東洋医学』 根本幸夫著 かんき出版社

『東洋医学のしくみ』 関口善太著 日本実業出版社

『クロワッサン漢方・ツボ・薬膳・気功の本』

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