第36回 東洋医学の体内時計
2010年4月1日
一般的に言われる「体内時計」
身体の中には「体内時計」というものがあることは良く知られています。これは、脳内の視交叉上核の細胞にある“時計遺伝子”というものが時間を刻んでいると言われています。この体内時計が狂いますと、睡眠障害になったり、身体に時差ボケを起こすことになります。例えば体内時計を狂わす原因としては以下のものが挙げられます。
- 夜に強い光を浴びる
- 休日の寝だめ
- 朝の二度寝
- 1時間以上の昼寝
昼間眠かったり、夜眠れないときは、この4つに注意してみてください。
「東洋医学の体内時計」
東洋医学では昔から体内を巡りものに対して生命そのものを感じ、そこに規則があることを発見しました。身体を流れる代表的なものが“気”と呼ばれるものですが、この気は、全身を張り巡らしている経絡の上を流れていきます。経絡は、古医書の記述と現在の24時間法とを照らし合わせますと、14分24秒で一周すると計算されるのですが、さらに経絡には、1日を12等分した各2時間毎に中心となる臓器があるとしています。まずはその時間帯と臓器を一覧にして見ます。
経絡と時間帯の一覧
| 時間帯 | 臓器 |
| 23:00~1:00 | 胆 |
| 1:00~3:00 | 肝 |
| 3:00~5:00 | 肺 |
| 5:00~7:00 | 大腸 |
| 7:00~9:00 | 胃 |
| 9:00~11:00 | 脾 |
| 11:00~13:00 | 心 |
| 13:00~15:00 | 小腸 |
| 15:00~17:00 | 膀胱 |
| 17:00~19:00 | 腎 |
| 19:00~21:00 | 心包 |
| 21:00~23:00 | 三焦 |
以上の表のように、我々の体内には各時間帯によって、そのときによく働く臓器があります。これは東洋医学独特の“体内時計”の発見ですが、例えばこれを生活に応用する場合は、朝食は胃が活発に動く7~9時に済ませておくと良いということや、心臓が中心になるお昼の時間帯は、心は精神状態と関係することから、十分なお昼休みを取ってリラックスを心がけて午後に備えるなど、日常の生活と臓器の働きとを関連させながら読み取っていくことができます。
これをさらに鍼灸などの東洋医学の臨床に活かす場合は、病気の元がどこにあるかという参考にすることもあります。例えば夕方から体調が落ちたり、症状が出やすくなる場合は、その時間帯に配当されている腎の状態をも一緒に考えながら治療を奨めていくことになります。鍼灸治療の問診で、症状が悪化する時間帯を聞いたりすることがあるのは、こういった体内時計と臓器の関係を知るためのものです。
睡眠がうまく取れない、睡眠を取っているつもりでも昼間の眠気が取れない場合は、体内時計が狂っている場合もあります。その狂いはどこから来たのかを知るためには、一般的な体内時計の理論に加えて、東洋医学・鍼灸医学にある体内時計の考え方を応用することで、より自分でうまくコントロールができるようになります。冒頭に挙げた体内時計が狂う原因を改善しつつ、下に挙げます東洋医学から見た体内時計を元に戻すポイントを加えて、実際の生活で心がけてみてください。
体内時計を正常にするために
- 朝や昼間(11:00~13:00)は太陽の光を浴びるようにする。
- できるだけ決まった時間(7:00~9:00)に朝食を摂る。
- 胆の時間帯(23:00~1:00)になるべく床に就く。

鍼灸治療の効用・適応