ツボ療法を超えて(4)
2004年11月6日(2009年11月4日改訂)

先日風邪をひいた患者様を治療しました。今年(2004年)は春先から天気が不順で、夏の酷暑や台風の襲来などで季節の巡りに身体がついていけない方が多いように思います。そこでこの患者様のように、ちょっとしたことで風邪をひく方も増えているように思います。
治療の前に調子を伺うと、「風邪ひいちゃって、肩が凝ってるんですよ~~。首もこってるし~。」と患者様が症状を訴えました。
「そうですかそれは辛いですよね~~。」と私は答えて、いつも通り本治法を施していきました。お腹の状態や皮膚の状態などを診て、さらに身体の各状況を診ていきます。その診察の結果、飲食をバランスよく摂っておらず、さらに冷たいものを摂って胃腸を冷やしたようでありました。その隙に身体に風邪が入ったようです。今回の治療方針は、本治法で身体を温め、食欲を出してあげること(治療と同時に、治療後にはバランスのいい食事を摂ることを患者様に指導させていただきました。)にしました。身体に飲食物の栄養を巡らせることで、体力をつけていき、身体が本来持っている自己治癒力で風邪を追い出すというのが、治療の目的です。
患者さんにとっての主な訴えは肩こり、首のコリでありましたが、治療方針は風邪を身体の外に追い出すことであり、主な訴えである肩や首には鍼を一切しません。それは身体の不調の原因は風邪であったので、治療対象を風邪にし、風邪を追い出せば肩こりも首のコリ症状もなくなるからです。もし身体の全身が表現している状態を診ずに、肩や首だけを治療対象にして、そこにだけ鍼をしたとしたら、症状が取れるどころか、より凝りは増すことも考えられ、さらに風邪も進行していった可能性があったかもしれません。
治療後患者さんは身体が楽になったと言って気分も明るくなったようです。
そして後日治療をしたときには、「鍼って風邪にも効くんですね~」とおっしゃっておりました。鍼灸治療を学ぶものとして、鍼灸が風邪によく効くということは周知のことでありますが、一般的にはまだその認識は浅いものがあります。今回肩こり、首のコリを訴えて治療を受けた患者さんに、鍼灸治療のまだあまり知られていない側面を実感していただけたことは、施術者としてもとても嬉しいことでありました。
※ インフルエンザは風邪ではないので病院に行くことをお勧めします。

鍼灸治療の効用・適応