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第42回 鍼灸は東洋医学ですか?

2011年8月14日


 患者様からの質問や疑問点には、誠意を以ってお答えすることにしておりますが、初診の方で、特に鍼灸が始めての患者様からは、時折、「鍼灸は東洋医学ですか?」と聴かれることがあります。私は「もちろん鍼灸は東洋医学ですよ。」とお答えするのですが、こういった質問が少なくないところを見ると、漢方薬と比較して、鍼灸も東洋医学の一つの分野であることが、一般的にはあまり浸透していないのかなと思ったりもします。

 歴史から言えば、鍼灸の方が漢方薬よりも古いものです。未開の部族が顔や腕に刺青をしていますが、あの刺青はツボや経絡を表わしているという説もあるくらい、ツボの存在はだいぶ昔から実感されていたようで、特にその中でも古代中国において、ツボの体系化と人体の解明が併せて進んでいく中で、東洋医学というものが成立してきました。ですので、鍼灸は東洋医学の原点とも言って良く、鍼灸は東洋医学全体の発展に寄与してきました。

 そこで、「鍼灸は東洋医学ですか?」という質問には胸を張って「鍼灸は東洋医学です。」と答えることができます。しかし、こういった質問がそう少なくはない割合で患者様から出てくると言うことは、一般的にはまだまだ鍼灸が東洋医学の一つだと思われていないのかもしれません。そしてそれが事実ならば、鍼灸の普及は国民の健康に貢献するものでありますから、鍼灸の恩恵にあずかれない人が増えなければ、それは鍼灸師一人一人の怠慢かもしれません。

 現在の日本の鍼灸界を見渡しますと、そこには様々なやり方が存在します。流派と言えば格好がいいのですが、お茶やお花の世界のように、○○流というものがあるわではなく(○○流を主張される先生もいらっしゃいますが)、各先生の個性であったり、各先生の鍼灸へ取り組む姿勢、自分の好むタイプのようなものだったりと、その境目は曖昧かもしれません。
 細かい分類はプロ向きのお話なのでここではしませんが、鍼灸のタイプを大きく分けますと、古典派と現代派に分かれます。
 古典派は、当院のように、陰陽論、五行論といった昔から伝わる理論を使って治療するものです。電気などの器具は一切使わず、鍼とお灸のみで対応していきます。「古典」という言葉からも分かるように、古くから伝わるやり方ですので、電気のない時代のものゆえ、鍼と灸で十分な治療ができるようになっています。例えば腰痛ですと、その腰痛がどこから来ているのかということを判断し、例えば胃の冷えからきているとすれば、患部に鍼をするのではなく、胃の冷えを取るような治療をして腰痛を治すと考えます。
 一方の現代派は、こちらも「現代」という言葉から分かるように、現代の利器、つまりパルス(低周波ち)治療器具などを使用し、治療の方針は、現代医学の知識を主体にしながら組み立てていきます。例えば腰痛でしたら、直接患部の筋肉を刺激するように鍼をするようなことが多くなります。
 古典派と現代派のどちらが優れていて、どちらが効くというのは、現在でも各先生の間で議論がされているところではっきりとはしませんが、どちらにもメリットがあるため、両者は「鍼灸」という同じ土俵の上で共存しているというのが現在の日本の鍼灸界ではないかと思います。そして鍼灸師がどの鍼灸の方法を選択するかは、各先生の方針に任されているもので、鍼灸学校で強制されるものではありません。このような事情があるため、一般の方には各鍼灸院の違いは分かりずらく、鍼灸を受けたくてもどこへ行ったらいいのかわからないと言うことがあり、これが受診する際の最初の壁になってしまっているのではないかと思います。

 と、話はしょうしょう横道にそれてしまいましたが、この古典派と現代派という分類でいきますと、一概に「鍼灸は東洋医学である」とは言えないのではないか?と思うことが、私のような専門家から見てもあります。
 といいますのは、現代派の先生の中には、東洋医学の理論(東洋医学の五臓六腑論や陰陽論、五行論と言ったもの)を軽視したり、否定したりする方もいらっしゃいます。また極端な方になると、ツボも否定する方もいらっしゃいます。ここまで来ますと、鍼は反応点や患部ににすればいい、ツボに鍼をする必要はないという治療方針になります。私のような古典派から見ますと、とても乱暴な印象を受けるのですが、それでもそれで治療効果を上げているからこそ、そう主張していると思いますので、あながち否定するものではないと思っています。しかしそういった東洋医学の考え方を使わない、さらにはツボや経絡と言った、鍼灸医学の最も特徴となるシステムを否定する鍼灸は、もはや東洋医学の範疇には入らないように思います。
 こういった古典派と現代派の違いがありますので、「鍼灸は東洋医学ですか?」という患者様からの問いは、あながち意外な質問ではなく、実は専門的に見ても、現在の日本の鍼灸の現状を言い当てた、たいへん奥が深いものであったりします。

 以上のように、同じ鍼灸でも、東洋医学らしいものと、東洋医学からは離れた現代鍼灸もあることを知っておいて下さい。そしてもし、東洋医学としての鍼灸を受けたいと思っておりましたら、陰陽論や五行論といった東洋医学の考え方や診察方法を重視した治療院を探してみてください。逆にそういったものは信憑性に欠けるのではないかと、生理的に受け入れにくい方は、現代鍼灸(西洋医学的鍼灸)を主体にした鍼灸院を探してみるといいかもしれません。
 鍼灸を受けたことがない方で、これから鍼灸を受けたいと思っていましたら、鍼灸治療院を探すと時の基準として、大まかにこういった違いがあることを理解しておくと、自分にあった鍼灸治療院を見つけやすくなるかと思います。

東洋医学的鍼灸と西洋医学的鍼灸の違い
鍼灸は東洋医学ですので、「東洋医学的鍼灸」「現代鍼灸(西洋医学的鍼灸)」というのはおかしな話なのですが、現在の日本の鍼灸界においては、こういった分類もあるというお話しです。

東洋医学的鍼灸
陰陽論、五行論といった東洋医学独特の概念を重視し、脈診や腹診などの東洋医学の手法を巧みに使う鍼灸。
現代鍼灸(西洋医学的鍼灸)
東洋医学独特の概念よりも、筋肉、神経といった現代解剖学や現代生理学を主体にし、治療方法も局所的なものが多い。

参考文献・参考図書

LinkIcon『鍼灸の挑戦-自然治癒力を生かす』 松田博公著 岩波新書
LinkIcon『「気」で観る人体-経絡とツボのネットワーク』 池上正治著 講談社現代新書

より深く知りたい方、学びたい方へのサイト

LinkIcon『はじめての鍼灸治療ガイド』
LinkIcon『東洋医学・鍼灸を学ぼう!』


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