東洋医学の鍼灸院は、表参道・青山にある源保堂鍼灸院へ(東京都内の鍼灸専門院) (C)表参道・青山・源保堂鍼灸院

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第46回 東洋医学は身体の何を観ているのか?(3) 『コラム東洋医学って何?』 (C)表参道・青山・原宿・外苑前・渋谷・東京都内のはりきゅう院 源保堂鍼灸院

2012年2月26日

  前回のコラムでは、脉診はこんな感じでやりますという形式のお話をしました。今回はその脉診で何を観ているのかという、脉診の中身についてお話をしていこうと思います。

 脉診は両手首の脈を打つところで観ていきますが、左右併せて6カ所で観ていきます(どんな感じで行われるかは、前回のコラムの写真をご参照ください)。この六カ所の各部位に、下図のような臓腑の配当がなされています。この臓腑の配当は諸説ありますが、そのあたりの解説は煩雑になりますので、最もオーソドックスなものを挙げておきます。表の右に掲載した写真は、高陽生という六朝時代の医家が記した『脉訣(みゃっけつ)』と呼ばれる古医書の中に記されているものを再現したもので、日本の六部定位脉診はこれを基本にしていると言われています。


(C)表参道・青山・原宿・外苑前・渋谷・源保堂鍼灸院 肩こり・腰痛・頭痛・生理痛など高陽生『脉訣』に記載されている六部定位の脈診配当図 (C)表参道・青山・原宿・外苑前・渋谷・源保堂鍼灸院 肩こり・腰痛・頭痛・生理痛など

 例えば右図の左手の「尺(しゃく)」というところには、心臓と小腸が配当されていますが、この箇所に心臓と小腸の調子が現れます。指一本分のところにその状態が出るので、指先の感覚を大切にすることが大切になりますので、私は重いものを素手で持ったり、ラケットなどを使うスポーツや、弦楽器のようなものはやらないようにしており、各先生もいろいろと工夫をしているようです。この図では、例えば左手の尺の部分は平面的に心と小腸が並んでいますが、実際にはこれは平面での違いではなく(平面の違いも出ることはありますが)、脈の高さで判断します。同じ位置でも、小腸の状態は、心臓よりも少し高いところに出ます。
 と、脉診の説明をすると煩雑にあちこち話が飛んでしまいがちになりますが、まずはこの最もオーソドックスな脈の配当を理解しておくことが、脉診の基本になります。これを「六部定位脉診(ろくぶじょういみゃくしん)」と言いますが、実は脉診には他にいくつかシステムがあり、それらを多用していきます。それも全ては書き切れないので本日のコラムの内容は、この六部定位脉診を中心となります。

 施術者(鍼をする人)は、患者様の脈に手を触れてこの6カ所の状態を確認します。軽く触れ、少し重く触れ、そしてさらに深く触れていくなどをして、6カ所の状態を比較していきます。このときにどんな情報を観ていくかと言いますと、脈の高さ(脉位)、脈がどんな感じで打っているのか(脉状)、脈の太い細い、脈の強さなどなど・・・。上述したような配当図を頭に入れながらも、頭に入れる情報は配当図には収まりきらないものばかり。配当図は平面ですが、脈は立体ですので、それをうまく表にすることは困難です。そのためこれらを整理するために、各先生自分なりにルールを決めてカルテに記入していることも多いようです。

 改めて脈の情報を整理してみますと、以下のようになります。

  • 異常な脈が出てる部位 → どの臓腑に原因があるか
  • 脈の強弱 → 気血の分類、邪気の種類など
  • 脈の太さ → 気血の分類
  • 脈の高さ → 身体のどの高さに原因があるのか
  • 脈の打ち方 → 邪気の種類
  • 脈と季節の関係 → 季節に合った身体になっているか

さらには他の脉診のシステムを使って以下のことも考慮します。

  • 十二正経と奇経八脉 → 気血形質の違いなど
  • 経脉と絡脉 → 身体の表面は大丈夫かどうかなど
  • 君火と相火 → ホルモンバランス、自律神経の状態など

 以上のように、たくさんの情報を頭の中の脉診図に入れていきます。
 脉診は、身体がどのような状態にあるかという漠然としたものを示してくれるだけではなく、どの臓腑が弱っているのか、それは重傷なのか軽傷なのか、冷えにやられたのか、暑さにやられたのか、食事はどうだろう・・・などなど、様々なことを教えてくれます。そしてさらに重要なのは、これらの情報を得ていくと、どこのツボを使ったらいいのかがわかることです。例えば患者様が腰痛を訴えた時に、筋肉が痛んでいるのか、骨の方も痛んでいるのかというのも、ある程度推測ができ、その違いによってツボの選択を決定できるのが脉診の便利なところです。そしてそのツボを使って実際に良い方向へ脈が変化した時は、そのツボの選択が正しかったことが分かりますし、どれだけ変化が現れたかということで、患者様の回復力を測ることができ、予後や治療の頻度などを伝えることもできます。脉診はそういった治療の始まりから終了まで様々な情報を施術者に与え、トータルで身体の方向性を伝えてくれます。
 鍼灸師は、結局のところツボを使って身体の調整をしていくのが仕事です。どのツボを使うかが分からなければ仕事になりません。闇雲にツボを使ったり、勘を頼りにツボを使う、とりあえずここのツボを使っておこうというのでは、一般の方がツボの本を読んで指圧するのとあまり変わりません。やはり鍼灸師はツボを使うプロですので、プロとして、各先生方はそのツボを使う根拠をもっているものです。そのツボの選択をどのように決めていくか、どこに根拠を探し求めるかは各先生の個性にもなるのかもしれませんが、私は脉診を一番の頼りにしております。脉診はとてもありがたい先人からの贈り物だと、日々臨床では感謝をしております。

参考文献・参考図書

LinkIcon『黄帝内経・素問』
LinkIcon『黄帝内経・霊枢』
LinkIcon『陰陽五行説 その発展と展開』 根本幸夫・根井養智著 じぼう
LinkIcon『東洋医学を知っていますか』 三浦於菟著 新潮選書
LinkIcon『図説 東洋医学 基礎編』 山田光胤・代田文彦著 学研

より深く知りたい方、学びたい方へのサイト

LinkIcon『はじめての鍼灸治療ガイド』
LinkIcon『東洋医学・鍼灸を学ぼう!』


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