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コラム 『東洋医学って何?』 |
| 第26回 五行 2006年12月21日 |
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このコラムや当院のブログでも何度も出てきましたが、東洋思想には陰陽五行思想という考え方があります。これは萬物を五つに分類する方法で、漢代からはじめられ、今日も多くの習慣の中にその影響が見え隠れしています。この陰陽五行思想を医学にも応用することで、東洋医学は体系的な発展を持つことができました。そしてこの陰陽五行思想による五行の分類を表にしたものを、五行色体表(ごぎょうしきたいひょう)と呼んでおり、これを利用して診察、治療が行われていきます。スペースの関係で全てを載せることはできませんが、右に示したように、五行色体表は様々なものを分類しています。 そもそも「五」という漢字にはどのような意味があるのでしょうか? 「五」の漢字の上下の横線「−」は、上が天の気で陽を表現し、下は地の気で陰を表しています。そしてその間の「X」のようなところは、上下の「−」をつなげるもの、すなわち、天の気と地の気の交流を示しており、「五」という漢字は陰陽の気の交わりを表しているわけです。 このように、古医書医学を作った人々が、この「五」という数になみなみならぬ思い入れを持っていたことが、この漢字の成り立ちからも分かります。 この五行色体表は、一見すると整然と分類されているので、単なる文字の羅列のような感じもしますし、これが本当に利用可能なものかどうかはなかなか理解できないと思います。しかし、実際の臨床ではこの五行色体表がないと手も足も出ません。鍼灸師は、この五行色体表から様々な情報を得て、人体の診方に様々に応用することで診断と治療をしていきます。 ![]() この五行というものは、一行一行が独立しているものではなく、左図のように、五行の循環とお互いの拮抗という関係性を持っています。五行色体表と、この循環と拮抗関係の図を常に頭の中で追っかけながら鍼灸治療は進められていきます。 東洋医学の進歩は、得にこの陰陽五行説が医学に応用されてから目覚しく進展していきますが、これは根本には自然の動きと人間の身体とは影響しあっているという東洋的な身体観を、五行により表現することが可能になったからだと思われます。そしてこの身体観は、“身体の中の五臓のバランス”をいかに保つかということが重要視されるようになりました。五臓のバランスが整うことで、無病の状態になり、病への予防になる、というのが東洋医学の考え方の基本となります。 とかく我々は自分の好きなものしか食べなかったり、感情的にも過度な怒りをもってみたり、なかなか中庸でいることは難しいものです。できないからこそよりこのバランス感覚が求められるのかもしれません。私自身もこの色体表を見る度に、反省をしています・・・。 (関連情報) 表参道・青山・源保堂鍼灸院のコラム『東洋医学って何?』 「ツボ療法を超えて5」 ▲このページの一番上に戻る 鍼灸治療のお申し込みは → こちら |
五行色体表
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| 第27回 美肌と鍼灸 2007年3月3日 |
| 先日患者様からこんな話しを伺いました。 それは、こんな感じです。 「この間いつも買いに行っている化粧品屋さんに行ったんですよ。そしたらいつも見てもらっている店員さんに、“何か良いことあったの?”って聞かれたんですよ。“え?なんでですか?”って聞き直したら、お肌が前よりも明るい色になって、コンディションも良いですよ。”って言われたんですよ〜。これって鍼の効果なんですね〜!」というお話しでした。 このお話を聞きまして、私も嬉しく感じました。女性にとって、お肌のコンディションはとても気になるものだと思います。そのお肌が、化粧品のショップの方が見ても良くなっているということを聴き、鍼灸治療の良さが、また“プロの女性の目”からも裏づけされたかな、と感じたからです。そして、お肌の調子が良いことは、女性にとっては大きな自信にもつながると思いますので、患者様にとってもとても良かったと思い、その成果が出たことを喜びました。 鍼灸治療をするときに、まず“そのとき”の患者様の身体の状態を診ます。そして、その状態に合わせて鍼灸治療を施していくわけですが、そのときにどれだけ鍼が効いているのか、今、身体はどのような状態にあるかという判断をしなくてはいけません。また、一回の治療で完治するわけではありませんので、何度か治療を受けていただき、効果がどう顕れているか、その経過を観察します。このときの効果測定の判断基準の一つに、「皮膚の状態」が挙げられます。 健康な皮膚の状態は、「温暖(温かみ)と潤沢(うるおい・艶)」を持っています。一方不健康な状態や、栄養が十分に取れていませんと、皮膚の状態はかさかさしていたり、ぼこぼこしていたりして、また、皮膚にしわが寄ったりします。これは美肌とはいえません。 伝統的な東洋医学では、身体の中(臓器の状態)の状態を、外側(皮膚、髪、爪など外から見えるもの全て)から診ていこうと言う技術が発達していますので、こういった患者様の皮膚のコンディションの変化を、患者様本人以上に、治療者は敏感に察します。 東洋医学では、この皮膚は外の環境の変化や、風邪などのウィルスや最近から身体を守る防衛機能として捉えています。その防衛機能を担っているものが、身体を巡る「気血営衛(きけつえいえ)」と呼ばれるものです。つまり、この気血営衛の状態が整っていますと、皮膚は防衛機能を発揮しますので、風邪にもかかりにくく、環境の変化にも対応することが容易になります。そしてこのような防衛機能がしっかりしているときの皮膚というのは、きめ細かく、艶がある状態、いわゆるこのような皮膚を、「美肌」と言います。 鍼灸治療は、五臓六腑を調整するのですが、この調整が進みますと、身体は気血営衛をしっかりと作ってくれるように代わります。気血営衛は美肌の基礎ですから、気血営衛の生産がうまくできるようになるということは、当然肌もきれになり、艶が出てくるわけです。 このように、気血営衛の供給がうまく成されるようにすることが、とにもかくにも健康の基本になります。“内側からきれいになる”ということは、このような東洋医学的な意味がある、というわけです。鍼灸によって“身体の中から美肌”を目指してみませんか? ▲このページの一番上に戻る 鍼灸治療のお申し込みは → こちら |
| 第28回 未病治療 2007年4月12日 |
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東洋医学には、「未病(みびょう)」という言葉があります。これは、健康と病気の間にある状態で、何かしら不快症状があるが、まだ病気というほどでもない、かといって健康というほどすっきりしない・・・という状態のことを指します。(右上図を参照)。この未病のとき、我々の体と心は、完全な健康とは言えませんので、当然ながら不快な症状が出てきます。しかし、このような未病の状態で病院などで検査しても、数値的な異常が出ないことが多く、病名も付かないことから、薬や処置もないことが多くあります。病院へ行っても、原因も分からず処置もない・・・しかし依然として不快症状が残り、その症状に悩まされ続ける・・・。こういう状況が続きますと、より不安と不快感が募ってしまい、日々の生活全体が暗いものになってしまいます。そしてこの図を見てもお分かりいただけるように、健康と病気の間にある「未病」の範囲は広いものです。ですので、病気だと思って病院に行ってみたところ、意外と処置がなかったり、検査結果に異常が出なかった場合の多くは、この未病にあたることが多くなります。 我々は、健康なとき、病気にならないように「予防」ということをします。例えば冬の季節ですと、風邪をひかないように手洗いやうがいをしますが、これは風邪にかからないためのもので、健康な状態にしておく「予防」になります。そしてもし予防をしていても、風邪になってしまったら、次に風邪薬を飲んで「治療」をします。 しかし、不快症状があるが健康とも病気とも言えないようなとき、風邪でいえば咽が少し痛い、頭が少し痛いというとき、まだ風邪の「治療」では行き過ぎで、またすでに症状が出ているので、単なる「予防」だけでは足りません。このようなときこそ、東洋医学の「未病」という概念を使うことで、この健康とも病気ともいえない「未病」の状態にアプローチすることができ、より積極的な「未病治療」を行うことができます。 今、風邪を例に上げましたが、風邪だけでなく、多くの病気の場合、健康から徐々に病気に向かっていくので、「未病」の状態が存在します。また、ちょっとした季節の変化などで身体がバランスを崩したとき、我々の心身は揺さぶられますので、健康状態を超えて、「未病」のゾーンに入ってしまうことが少なくありません。このように、「未病」は病へ向かうあまり良くない状態でありますので、「未病」のゾーンに心身が入ったときには、その「未病」の状態に合わせた、「予防」よりもより積極的な「未病治療」が必要となります。 また、病を未病の段階で治しておくことは、まだ体力もあり、自己回復力がある時期なので、心身の回復もまだありますので、治りも早いといえます。 右の真ん中に掲げた写真は、今から500年前に書かれた『類経』という古医書の一ページで、ここでは『黄帝内経・素問』のある未病を解説しています。ちょうどこの写真の真ん中にあるタイトルに、しっかりと「治未病」と書いてあることが分かると思います。 このようにすでに東洋医学では、はるか昔からこの「未病」という状態を捉えており、そして、この未病のうちに治療をしておきましょう、ということを記しています。 実際に、鍼灸治療を受け続けている当院の患者様方からは、「今年の冬は風邪をひきませんでした。」「今年は花粉症が楽です。」というように、予防+未病治療が功を奏し、体質改善ができたお声をいただきまきます。 鍼灸治療の良い面は、このように「未病」の段階から心身にアプローチをして、健康な状態に身体を戻すことができること、そして、治療を受け続けることで体質改善をし、病にかかりにくい身体を作る「予防」ができる、というように、「予防+未病治療」の両面をできるところにあります。普段から健康の幅を保ち、抵抗力をつけることができることにあります。 どうか鍼灸治療を身近なものとして、日々の生活に取り入れ、 「早く治せば、早く治る、未病の知恵」を合言葉に、健康な心身と充実した毎日を取り戻してみてはいかがでしょうか。 最後に未病チェックシートを作りましたので、こちらを見て自分の心身の声を聞いてみてください。 → 未病チェック 【関連情報】 □ コラム・東洋医学って何? 『健康の幅』 □ 表参道・青山・源保堂鍼灸院ブログ『鍼たま』より 『未病 (1)』 『(2)』 『(3)』 『(4)』 『(5)』 『(6)』 『(7)』 ▲このページの一番上に戻る 鍼灸治療のお申し込みは → こちら |
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