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五月病

2005年4月13日(加筆2009年4月11日)


 GWを間近に控え、心にもゆとりが出てくる季節でもありますが、一方では「五月病」と呼ばれるように、特にこの時期に限ってやる気を失ったりする人も多くあります。最近では「うつ病」「うつ」という言葉が普通の会話の中にも出てくるようになり、珍しいことでもなくなりました。また、若い世代の間では、「プチうつ」という軽い感じで「うつ」という言葉が抵抗なく使われることもあるといいます。そんな今の言い方からみてみますと、この「五月病」は、昔からある「プチうつ」の一種なのかもしれません。しかし、東洋医学の古医書によって分類してみますと、軽いやる気のなさという程度では「うつ」には入りませんし、「プチうつ」程度のものも入れることができません。
 東洋医学的に見た場合、「うつ」という症状はどんなものかといいますと、“背中を丸めて歩幅を狭く歩き、また言葉や会話がおかしいこと”を指します。このような東洋医学の基準で考えてみますと、普通に会話が出来て、普通に社会生活が営めることができれば、それは「うつ」とはいい難いと思います。

 それでは五月病のような、この時期に限って起きがちな倦怠感はどうして起きるのでしょうか?
 それは、この春の時期に肝の気が旺気するからです。2月の立春を境に自然は春を迎え、徐々に陽の気を増やして本格的な春に向かっていきます。身体の中で、この春の季節に元気になるのが肝臓であります。東洋医学では五臓六腑を性格分けしていきますが、肝は国で言えば将軍に当てはまります。将軍は国の軍隊の統率者で、作戦を練ったり謀議を行うところであります。さらに、感情で分類すると肝臓は怒りに分けられます。この春の時期になりますと、肝臓の働きがいつもの季節よりも盛んになりますので、これら肝の持っている特徴が表に出やすく、それが抑えが利かなくなると過剰に働きすぎることになります。つまり、肝が強くなりすぎると、身体の中の軍隊が勝手に動き出しますので、軍隊が暴走して国(身体)に症状が出てきます。
 このような状況を避けるため、身体の中には、肝臓の暴走を制御する相手がいます。それが肺なのですが、あまりに暴走が激しかったり、肺の力が弱っていたりすると、その暴走を止めることができず、身体は次第にバランスを失い、自己回復力が正常に働かなくなると、病気になっていきます。病気にならないまでも、このようにバランスを失って肝臓が暴走していますと、身体と精神は興奮した状態になり、五月病のような倦怠感や焦燥感のようなものを起こしていきます。
 季節の巡りによって、春の季節の身体は、このような状態になりがちです。それに加えて春は入学、転勤、異動など環境の変化が多く、それに伴った感情の動きが重なり、身体に負荷(ストレス)をかけてきます。このような季節的な変化と、社会環境の変化によっても、春は肝臓が変動しやすいために、五月病のような症状が出ることが多くなります。
 ストレスの原因は本人の心の持ちようが作るものでありますので、我々術者はそこまで手を出せませんが、鍼灸治療をすることで身体と精神を緩め、ストレスに対処する正気を出すお手伝いをすることができると思います。そして同時に食事に気を付けていただくことで、さらにストレスへの対抗ができてきます。そしてその結果として、気持ちにストレスの受け止め方への余裕やゆとりが出てきますので、倦怠感を含めた五月病の症状は改善されていきます。

 きれいな新緑の季節の前からでも、身体と心のメンテナンスを鍼灸治療でしていただき、晴れ晴れとした気持ちでこの季節をお過ごしになっていただきたいと願っております。

資料

五臓とその役職

五行
五運 長夏
五臓
役職 将軍 君主 倉廩 宰相 作強
『黄帝内経』 の【霊蘭秘典論】には、五臓六腑の各働きを当時の中国の役職名などを使って喩えている箇所があります。たとえば肝臓の記述は「肝者将軍之官。謀慮出焉」とあります。

参考文献・参考図書

LinkIcon『黄帝内経・素問』
LinkIcon『黄帝内経・霊枢』
LinkIcon『陰陽五行説 その発展と展開』 根本幸夫・根井養智著 じぼう
LinkIcon『標準東洋医学』 仙頭正四郎著 金原出版


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初心者にお薦めの本

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『東洋医学のしくみ』 関口善太著 日本実業出版社

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