【読み物・エッセイなど(1)】 of 表参道・青山・源保堂鍼灸院(東京都内)Acupuncture Tokyo, Aoyama -肩こり・腰痛・頭痛・生理痛・体質改善・免疫力向上・不妊治療など

『教科書では読めない中国史-中国がよくわかる50の話』 冨谷至著 小学館

『教科書では読めない中国史』

著者 冨谷至著
発行 小学館
価格 1575円(税込み)

お薦め度 ☆☆☆☆

タイトルの通り、教科書には書いていない中国の歴史や文化の50のお話が詰まっております。臨床に直接は関わりませんが、古医書を読む上で知っておきたい歴史のお話もあったりと、参考になる一冊です。

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 東洋医学・鍼灸治療の起源は、言うまでもなく、中国にあります。
 東洋医学・鍼灸治療が効くかどうかは、言うまでもなく、治療者の勉強(学問)と技術の研鑽にあります。

 中国の歴史を知ることは、直接的に東洋医学や鍼灸治療を学ぶことにつながるわけではありません。しかし、中国発祥の医療である東洋医学・鍼灸治療をせっかく勉強しているのですから、中国の歴史を知り、中国に触れるということは決して無駄なことではなく、自分の中にある“知る”喜びを育てることになると思います。東洋医学・鍼灸治療は、多くの人が歴史の紐をつむぎながら継承してきた歴史があります。『黄帝内経』という原典をベースにしながら、その時代、その社会に合う形で原典は解釈を重ねて生き返り、そして再び次の世代へ受け継がれていく、まさに歴史の中で、人々の中で育まれた医療なのです。
 例えば李東垣(りとうえん)の『脾胃論(ひいろん)』という古医書がありますが、これは、漢民族が北方から圧迫されて、戦乱が続いた時代に書かれたものです。この時代は戦乱のために心は常に不安と悲しみに暮れ果てていましたので、内傷(ないしょう)という概念が強調された時代でした。『黄帝内経』にすでにあった内傷の概念を、さらに発展させ、一つの病因論にしたのは、中国の歴史の要請、そしてその時代に生きる人々の要請があったからとも言えます。
 この『教科書では読めない中国史』は、タイトルどおり“教科書では”読めないようなものを知ることができます。例えば第一章第一話にある“ひとりにたくさんの名前がある”は、中国人の名前に号があったり、字(あざな)があったりを解説しているのですが、上述した李東垣にも、李杲(りこう)という呼び名があります。それはどうしてか?・・・ということを知ると、古医書の世界もまた楽しく、そして古医書を探す時の資料にもなります。患者さんに古医書の世界を紹介する時にも、まとまった話が50もある本書はとても役に立つと思われます。

『野菜の効用 『医心方』四千年の知恵から』 槇佐知子著 筑摩書房

『野菜の効用-『医心方』四千年の知恵から』

著者 槇佐知子著
発行 筑摩書房
価格 735円(税込み)

お薦め度 ☆☆☆

臨床に役立つというよりも、臨床の中で患者さんとの話題づくりのために利用できる本。また、『医心方』の内容を少し垣間見ることができるので、古医書に興味を持てます。

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『くすり歳時記 古医学の知恵を学ぶ』 槇佐知子著 筑摩書房

『くすり歳時記 古医学の知恵に学ぶ』

著者 槇佐知子著
発行 筑摩書房
価格 672円(税込み)

お薦め度 ☆☆☆

豊富で確かな知識が満載されたエッセイ集。東洋医学・鍼灸医学のお話に通じるところが多く、読んでいて良いヒントになります。

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 槇佐知子さんは、丹波康頼が編集した日本最古の医学全書である『医心方』を現代語訳した方です。また、平安時代初期に編纂された日本最古の国定薬局方である『大同類聚方』の現代語訳にも挑んでいる方です。もともと小説や児童物などを書いていたようなのですが、あるとき『医心方』に出会い、一念発起して訳に取り組み始めたという方です。一歩一歩読み進めていくことは困難を極めたようで、また、出版するに際しても様々なドラマがあったようです。そしてその苦労は実を結び、筑摩書房から刊行されています。
【参考】
LinkIcon『医心方』 丹波康頼著 槇佐知子訳
LinkIcon『大同類聚方』(普及版) 槇佐知子訳


 ここにご紹介した槇さんの本は、豊富な古医学の知識から編み出されたエッセイ集です。
 日本には四季折々様々な習慣が伝わっており、そして、豊かな四季が育む食材が豊富な国です。そういった習慣、そして食材がどのように伝わってきたのか、その裏にはどのような背景があり、どのような効果があるのか・・・。そういった身近なものを題材にしたお話がたくさんちりばめられております。
 臨床の合間の息抜きや、患者さんとの会話のヒントなどになると思います。

『口語 養生訓』 貝原益軒著 松宮光伸翻訳 日本評論社

『口語 養生訓』

著者 貝原益軒
翻訳 松宮光伸 
発行 日本評論社
価格 2415円(税込み)

お薦め度 ☆☆☆☆

平易な現代語訳で読みやすくなっていますので、原文よりも中身を知りたい方にはお奨めです。本書はハードカバーです。

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『養生訓・和俗童子訓』 貝原益軒著 石川謙翻訳 岩波文庫

『養生訓・和俗童子訓』

著者 貝原益軒
翻訳 石川謙 
発行 岩波文庫
価格 735円(税込み)

お薦め度 ☆☆☆☆

最もオーソドックスなものだと思います。原文もあります。文庫本なので、電車に乗りながら読めるのでお忙しい方にもお奨めです。

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 江戸時代前半の時代を生きた貝原益軒(1630年12月17日~1714年10月5日)。儒学者としても著名であり、生涯に渡り著した書物の数は六十部二百七十余巻に及び、様々な分野に博識であったそうです。益軒が著した書物の中でも、最も多くの人に親しまれ、そして今日まで彼の業績を語る上で最も有名なものが、『養生訓』ではないでしょうか。
 彼自身は83歳の天命を全うしましたが、当時としてはかなりの長命であり、また、最後まで健康であり、まさに“長寿を全うする”ことを自ら体現したともいえます。
 『養生訓』の内容は平易なことも多いのですが、改めて読むことでその平易さの中にある奥深さを知ることができます。人が健康に一生を過ごすということは、江戸時代にあっても、現代にあっても容易なことではありません。しかし、貝原益軒は自ら実践して養生の大切さを現代に伝えています。
 現代に生きる知恵としても、とても役に立ち示唆に富んだ内容になっています。益軒は医学を専門にしたわけではありませんが、『大和本草』を現したり、また『養生訓』の中でもいくつか中国の古医書を引用していますので、その内容には信頼性があり、東洋医学の基本的な見方を知ることもできます。初心者的に読むこともできますし、ある程度知識が豊富になったところで読み返しても新たな発見がある本です。

『養生訓ほか(中公クラシックス)』 貝原益軒著 松田道雄翻訳 中央公論新社

『養生訓ほか(中公クラシックス)』

著者 貝原益軒
翻訳 松田道雄 
発行 中央公論新社
価格 1575円(税込み)

お薦め度 ☆☆☆

新書の大きさで読みやすいフォントを使っています。残念ながら原文がないので☆三つですが、貝原益軒の『楽訓』を通して読めるのは現在これだけのようなので、貴重な一冊です。

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 貝原益軒は、最晩年に『楽訓』という本を書いております。この本の内容は、そのタイトル通り、人生を楽しむライフスタイルを提案したもので、時間に追われたり、仕事に追われる現代人にも、“楽に生きる”ことの楽しさを伝えてくれます。『養生訓』があまりにも有名なために埋もれてしまっていますが、この『楽訓』もまた、多くの人に読んでいただきたい内容です。

 こちらの『養生訓ほか(中公クラシックス)』は、『養生訓』だけではなく、『楽訓』も収録されていますので、両者を読みたい方にはお奨めです。どちらも平易な現代語で書かれています(原文はありません)。

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『旧暦ライフ温故知新』 川口澄子著 ピエブックス

著者 川口澄子
発行 ピエブックス
価格 1365円(税込み)

お薦め度 ☆☆☆☆

東洋医学・鍼灸医学を学ぶ者にとって、季節の巡りと身体の変化を知っておくことはとても大切です。また、季節の移り変わりと、季節毎の習慣を知ると、様々な生活の意味が見出されてくるように思います。ほのぼのと読みながら、暦の基礎を知ることができるお薦めの一冊です。 

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『東洋見聞録 医の巻』でもお馴染みの川口澄子さんのエッセイ集。『東洋見聞録 医の巻』よりも、内容はよりエッセイ的になっていますので、勉強のために読むというよりは、楽しみながらのんびりと旧暦に親しむといった感じで読んでみたらいかがでしょうか。版画のような絵と、思わずくすっと笑ってしまう内容で、文章同様に軽妙にページをめくることができます。

 東洋医学・鍼灸と暦はとてもつながりが深いものです。
 東洋医学・鍼灸医学には、天地人という思想があります。これは、天と地の影響を受けて万物は生じているという考え方で、万物の霊長である人間もまたこの天と地によって生かされている存在です。天と地の動きはまさに暦によって表現されています。そこで東洋医学・鍼灸医学を実践する者としては、この季節の巡りに影響を受ける身体の変化を捉えていかなくてはいけません。その助けとなるのが暦です。暦を参考にして身体を診ていきますと、その微妙な変化を察知することも可能となります。『黄帝内経・素問』の後半部に運気論というものがありますが、これは天の動きと身体の変化を詳細に観察してきた実証的歴史の積み重ねで、天気と身体は共に影響を受け合いながら変化をしていくことを示したものです。

 東洋医学・鍼灸医学を学び、実践する者としては、小寒、啓蟄、処暑など、二十四節気の名称と季節の移り変わりを頭の中に入れておく必要があります。本書では、二十四節気の名称の意味やその時期、風物詩などが挙げてあり、旧暦の季節感を伝えております。文章も軽妙で、イラストもノスタルジィなところもあり、とても親しみの沸く本です。勉強の合間の骨休め、患者様との会話のネタなどにも一冊置いておくと役立つと思われます。

『ニーダム・コレクション』 ジョゼフ・ニーダム著 山田慶兒他訳 ちくま学芸文庫

『ニーダム・コレクション』

著者 ジョゼフ・ニーダム
翻訳 山田慶兒他
発行 ちくま学芸文庫
価格 1470円(税込み)

お薦め度 ☆☆☆

イギリスの生化学者であり、中国科学史の研究の第一人者。彼の西洋文化と中国文化の比較や、その研究はとても優れたものです。本書を通して中国で発達した科学を知ることは、鍼灸という医学を学ぶものにとっても興味深いものがあります。

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 西洋と東洋では、その文化や科学の発達の歴史に大きな隔たりがあるように思います。地続きの大陸であり、シルク=ロードなどを通してお互いに交流があったにもかかわらず、この隔たりは大きなものがあります。中国の明の時代に入りますと、宣教師が中国にもやってきて、西洋の文物を移入してきます。中国はそれらに影響を受けながらも、独自の文化的発展を手放すことはありませんでした。
 これは医学にも言えることです。現在においてなお、これだけ現代医学が発達している中においても、古代から続く鍼灸や漢方薬という医学が、現代にあってもこうして医療としてその効果が認められ、普及しているというのは驚きでもあります。しかし、生活の一部としてずっと浸透してきた中国人にとっては、この事実は驚きでも、特別なことでもなく、生活の一部として当たり前のことなのかもしれません。
 中国の文化が西洋に与えた影響はたくさんあります。中国の三大発明として、紙、羅針盤、火薬が挙げられますが、これは西洋に大きなインパクトを与え、大航海時代への幕開けを導きました。他にも文化、技術的に、中国の文物が西洋に与えた影響は数多くあります。しかし中国はあくまで実用的なことにこだわり、またそのこだわりが西洋との発達の違いを生み出しました。一般的には、中国の科学史は、いわゆる科学的な思想に至らなかったと批評されることもありますが、仮のその指摘が本当だったとしても、それは決して中国の文化や技術が西洋のそれと比較して劣っていたことではありません。むしろある面においては、劣っているのではなく、西洋の文物を凌駕し、先んじていた学問や技術もたくさんあります。本書では西洋文化の先端性を強調する現代の文明観の偏見に異を唱え、中国の文化史のすばらしさを伝えるものです。
 本書は西洋と中国の違いや、中国文明の歴史や、その優れた面などを語っており、とても参考になる部分がたくさんあります。著者はイギリス出身で、人生の前半を生化学者として過ごし、後半生を中国文化史に注いだ方です。西洋人から見た中国文明という点からも、面白い視点がたくさんあるかと思います。

ジョゼフ・ニーダム

1900~1995を生きる。イギリス・ロンドン出身。生化学研究を経て、戦後は中国の科学技術史に専念。著書『中国の科学と文明』は、「20世紀最大の学術的業績」とも評されている。その一方でユネスコの創設にも関わり、1946~48年には、初代自然科学部長を勤めた。

その他参考図書

中国の科学と文明〈第1巻 序篇〉中国の科学と文明〈第1巻 序篇〉
(1991/05)
ジョゼフ ニーダム

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東京都渋谷区神宮前4-17-3
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03-3401-8125

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※出口からの道順はこのページの一番下に写真入りで説明がございますので、詳しいアクセス情報をご参照ください。
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原宿の歩道橋から見た表参道の欅通り。 (C)表参道・青山・源保堂鍼灸院

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※その他表参道ヒルズ、並木通り沿いにもパーキングがあります。

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