【鍼灸に関する本の書評(1)】 of 表参道・青山・源保堂鍼灸院(東京都内)Acupuncture Tokyo, Aoyama -肩こり・腰痛・頭痛・生理痛・体質改善・免疫力向上・不妊治療など

鍼灸の挑戦-自然治癒力を生かす

『鍼灸の挑戦-自然治癒力を生かす』

著者 松田博公
発行 岩波新書
価格 735円(税込み)

お薦め度 ☆☆☆☆☆

一般の方にとっては、鍼灸の流派の違いを知る一冊となり、鍼灸院選びのガイドとなると思います。専門家にとっては、これから主に勉強したい流派の流れを知ることができる一冊です。 

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 現在日本の鍼灸界は、大きく分けて古典派と現代派に分かれます。
 鍼灸ができた頃の古い書物に源流を求め、陰陽や五行などの理論を利用して配穴するのが古典派です。それに対して現代派は、現代生理学的な知識や西洋医学的な病名で病態を分類し、主に患部を治療し、場合によっては電気などを使います。同じ身体を診て、同じ鍼という治療道具を用いても、身体の診方や、病態へのアプローチには大きな違いがあります。
 このような違いは諸先生の考え方の違いであり、一概にどちらが良いといえるものではありません。これから鍼灸治療を学ぼうとしているものにとっては、自分がどのような鍼灸師になりたいかといいう青写真を描くために、現在の鍼灸にある流派や研究会を知っておくことは大切になりますし、自分の治療技術を磨く場や、信頼できる先生を探しておくことはとても大事なことになります。また、これから鍼灸治療を受けたいと思っている一般の方にとっては、これだけたくさんの鍼灸院がある中で、どこの鍼灸院を選択したら良いのか判断がつきにくいところであります。自分が受けたい治療院を見つけるための基礎知識として、鍼灸にも流派があるということを知っておくと選択しやすくなると思います。
 この本は、それぞれに特徴を持った鍼灸家の治療体験や治療方針を、著者自らが各先生の治療を受けながら述べています。著者ははりきゅう免許を取得している方なので、その内容は的確です。そのためこの本は、治療を受ける患者様にとっては、鍼灸治療を選択するガイドになり、鍼灸を勉強している方にとっては、自分の方向性の参考になると思います。その他に、流派を問わずに、鍼灸治療の特徴やこれからのあり方、これから鍼灸治療に求められる側面などを問いかけています。一般の方にも、プロの方にも示唆が多く、現在の鍼灸を理解するとても読みやすい本だと思います。

『誰にもわかる経絡治療講話』 本間祥白著 医道の日本社

『誰にもわかる経絡治療講話』

著者 本間祥白
発行 医道の日本
価格 2625円(税込み)

お薦め度 ☆☆☆☆☆

昭和初期に経絡治療を復興した熱きグループの一人である本間祥白先生の本。“誰にもわかる”というタイトルの通り、内容は基礎的なものになっており、経絡治療を学ぼうする初心者向けの本です。専門過ぎる内容なので、一般の方には不向きです。

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 昭和の初期、東洋鍼灸学校の創設者である柳谷素霊が、「古典に還れ」と日本の鍼灸家に問いかけました。その号令によって、古典的な鍼灸治療を追究する人々が、音頭をとった柳谷素霊の下に集りました。この集まりによって、それまで経穴と病名をつなげただけの対処療法的鍼灸治療から、歴史の中で埋もれてしまっていた病因病症を基にした治療の再興がはじまりました。そしてこの治療方法は、“経絡治療(けいらくちりょう)”と名づけられ、その研鑽と研究が進められていきました。
 この『誰にもわかる経絡治療講話』は、草創期のメンバーである本間祥白によって書かれた名著です。
 東洋医学本来の理論は、荒唐無稽なものではなく、古医書治療を行う上ではなくてはならないもので、しっかりと臨床に活かせるものです。この本は、鍼灸治療に必要なガイドラインを学ぶには最適で、読めば読むほど東洋医学の奥深さが伝わってきます。昭和24年に初版が出されて以来、長きに渡って読み継がれてきたその重みも大切にしたい本です。
 古典的な治療を志す治療家の入門書として、いまだに廃れないスタンダードかつ最適な一冊です。司会者、質問者、それに答える先生の講義形式で書かれているので、読みやすい本でもあります。

経絡治療草創期の先生

柳谷素霊、井上恵理、本間祥白、竹山晋一郎、丸山昌朗、岡部素道など

参考図書

『昭和鍼灸の歳月』

『経絡治療のすすめ』 首藤傳明著 医道の日本社

『経絡治療のすすめ』

著者 首藤傳明
発行 医道の日本
価格 3255円(税込み)

お薦め度 ☆☆☆☆☆

現在の日本の経絡治療の第一人者である首藤傳明先生の初期の作品です。脈診の基礎、経絡治療の基礎を伝える好著です。

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『経絡治療のすすめ』の著者である首藤傳明先生は、現在(2008年現在)、伝統鍼灸学会の会長をしております。首藤先生は、超旋刺という独特な技法を臨床経験から編み出し、多くの講演会や、医道の日本誌などでも発表をしておりますが、意外にも、まとまった記述として本になっているのは少なく、この『経絡治療のすすめ』と2009年7月に発売された『超旋刺と臨床のツボ』 首藤傳明著 医道の日本社くらいではないでしょうか。それは、首藤先生が臨床家として毎日鍼灸治療に従事している証のようにも思います。

 首藤先生は、現在でこそ経絡治療の第一人者の一人として鍼灸師の目標となっていますが、先生の臨床のスタートは、澤田流太極療法を中心にしたものだったそうです。しかしあるときの経絡治療学会の夏期研修に参加してからは、古医書に根ざした経絡治療に目覚め、その習得へ邁進し、現在もその追究に余念がありません。
 長年慣れ親しんだ自分なりの体系をかなぐり捨てて、経絡治療の勉強を始めることは、治療家としては勇気のいることだと思います。しかし、今まで自分がしてきたことを捨てるに足る魅力と効果が、古典的な治療にあることを感じていたのだと思います。本書『経絡治療のすすめ』は、そんな首藤先生が苦労を重ね、試行錯誤をしていたころの作品です。この本が世に出てから25年以上が経ち、首藤先生自身の臨床的気づきや、古典の解読からみたら、だいぶ古い内容になっていると思います。しかし、この本の重要性は、どのような実践的練習を積んできたのか、どういったことに着眼点を置いて勉強してきたのか、そういった古典を学ぶ者にとって、最初に知っておきたい基礎的な勉強方法、古典への姿勢というものが記されており、今でも十分読む価値のある内容になっています。脈診、病因病証、五行の関係など、古典治療を習得してためには避けて通れないものを分かりやすく解き、初歩的な理解を助けてくれます。
 この本は、経絡治療や脈診の概要から始まり、脈診の位置、取穴の仕方などを、初心者に向けて平易な文章で書いてあり、まさに“すすめ”的な内容になっています。日本伝統鍼灸学会の会長であっても、初歩的な時代があり、そこからの積み重ねをして今日の首藤先生があるだと思います。伝統的な治療を学びたい鍼灸師の方へ、とてもお奨めな一冊です。経絡治療の入門から、中級くらいまでをカバーする内容であると思います。

『積聚治療・気を動かして冷えを取る』 小林詔司著 医道の日本社

『積聚治療-気を動かして冷えを取る』

著者 小林詔司
発行 医道の日本
価格 3675円(税込み)

お薦め度 ☆☆☆☆

積聚治療という鍼灸の一流派を創設した小林詔司氏自身による、積聚治療の解説本。脈診によらず、誰にもわかる腹診を基にした治療方法は、学ぶところがあると思います。内容は専門家向けです。

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 小林詔司先生は、積聚治療を創始した方です。積聚治療とは、大まかに言いまして、腹診を中心とした診察方法を主にして、そこで診られた積聚(腹部の硬いところ)を症を立てるときの基準にして、その症を元にして、背部の兪穴で治療をしていくという方法論です。小林先生の発想のスタートには、鍼灸免許を取ったにも拘らず、臨床経験が少ないために、卒業してから鍼灸の仕事を続けていくことが困難であったり、治すことが出来ないために辞めてしまう卒業生が多いことに気づき、そこを短期間で克服するために、どうにかシステム化できないかという思いがあったようです。経絡治療や古典的な治療を志した場合、どうしても脈診や、四診法などを習得する必要がありますが、これらを習得することは簡単なことではありません。特に脈診などは、複数の先生が見た場合に、一人の先生は肺虚証といったり、もう一人の先生は腎虚証といったり、客観的な基準を見出すことが出来ず、学ぶほうも常に迷いながらの連続になってしまいます。そこで小林先生は、腹部の硬結という、誰が触っても明らかに分かるようなものを基準にして、積聚治療というシステムを考え出しました。そしてさらにユニークなのは、その腹部の積聚を、背部の兪穴で治療していくところにあります。
 この『積聚治療-気を動かして冷えを取る』の中では、積聚治療の基本的な流れもさることながら、小林先生が長年の臨床経験の中で培ってきた身体の観方、病気の成り立ちなどが詳細に記述されています。また、臨床例なども豊富に載っていますので、参考になることも多く、これを一冊読むだけでもかなりの臨床的応用を身に付けることが出来るのではないでしょうか。初学者の方から上級者の方まで、示唆の多い一冊です。

『鍼灸真髄 澤田流聞書』 代田文誌著 医道の日本社

『鍼灸眞髄-澤田(沢田)流聞書』

著者 代田文誌・澤田健
発行 医道の日本社
価格 2205円(税込み)

お薦め度 ☆☆☆☆

お灸の名人であった澤田健先生の治療風景がよみがえるような一冊です。澤田流太極療法と呼ばれる選穴の基本を学ぶことができます。鍼灸を学び始めた初心者の方から読める本です。

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 昭和初期から戦前にかけて、治療院前に門前市をなすほどに活躍したと言われるお灸の名人がいました。横山大観の腸チフスを治したという逸話もあり、また、経絡治療家である丸山昌朗は、沢田先生とそのお弟子さんであった城一格によって病を治癒してもらい、その後医者になりながらも、その恩に報いるために、鍼灸治療に専念したそうですが、沢田先生の周りにはそういったエピソードが尽きなかったようです。
 そんな沢田先生の治療をそばで見ていた通い弟子の一人が、著者である代田文誌です。代田文誌が通い弟子として沢田先生の治療の様子を観察し、その治療の様子を記録してたのが本書『鍼灸眞髄』です。代田文誌は歌人でもあり、文章を記すのが好きだったようで、その力量が本書にも発揮されています。
 沢田先生が好んで使った三つの経穴は、「中かん」「左陽池」「百会」ですが、これらの経穴は症状や病気を問わずに、身体全体を整えるものとして常用され、沢田先生の灸治療は、“沢田流太極療法”と名づけられることになりました。この代田先生の聞き書きである『鍼灸眞髄』からは、名人・沢田先生の灸の醍醐味をうかがい知ることができ、また臨床の様子などを垣間見ることができます。鍼灸初期の頃には、まず特効穴を学ぶことが求められることが多いですが、お灸による経穴を学ぶには好著だと思います。

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アクセス(場所・時間・地図)

源保堂鍼灸院がある表参道の欅通りの木漏れ日。 (C)表参道・青山・源保堂鍼灸院

住所

東京都渋谷区神宮前4-17-3
アークアトリウム101

電話 & FAX

03-3401-8125

開院時間

10:00〜20:00(月・火・水・金)
10:00~17:00(木・土)

お休み

日曜日・祝日

地図

※クリックすると拡大されます。
地下鉄表参道駅から源保堂鍼灸院までの道順。 (C)表参道・青山・源保堂鍼灸院

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アクセス(電車の場合)

表参道駅出口の案内板。 (C)表参道・青山・源保堂鍼灸院

最寄り駅

地下鉄のご利用

  • 銀座線・半蔵門・千代田線「表参道駅」より徒歩6分
  • 千代田線・副都心線「明治神宮前駅」より徒歩10分

※「表参道駅」利用の場合「A2出口」をご利用すると便利です。
※出口からの道順はこのページの一番下に写真入りで説明がございますので、詳しいアクセス情報をご参照ください。
※地下鉄の乗り換え案内はこちらへ。 → 東京メトロ

JRをご利用の場合

  • JR山手線「原宿駅」より徒歩13分
  • JR山手線「渋谷駅」より徒歩15分

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アクセス(お車の場合)

原宿の歩道橋から見た表参道の欅通り。 (C)表参道・青山・源保堂鍼灸院

お車の場合

表参道のメイン通り(欅通り)からですと、道が狭く、車や人の往来がが多いので、外苑前のベルコモンズ横のキラー通りから入っていただくと便利です。
周辺のコインパーキングは地図に記してあるのでご参照ください。
※その他表参道ヒルズ、並木通り沿いにもパーキングがあります。

●治療院までの道順・印刷用PDFファイル→ こちら
●Googleマップ →  こちら

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