【鍼灸に関する本の書評(4)】 of 表参道・青山・源保堂鍼灸院(東京都内)Acupuncture Tokyo, Aoyama -肩こり・腰痛・頭痛・生理痛・体質改善・免疫力向上・不妊治療など

『現代語訳 奇経八脈考』 李時珍著 勝田正泰翻訳 東洋学術出版社

『現代語訳 奇経八脈考』

著者 李時珍
翻訳 勝田正泰
発行 東洋学術出版社
価格 6321円(税込み)

お薦め度 ☆☆☆☆

李時珍の『奇経八脈考』を翻訳・解説した本として、読んでおきたい一冊です。正経と並んで、どうして故人が「奇経」の存在を知ったのか、その一端を知ることは、臨床の幅を広げることにもなります。

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 世界史の授業で、李時珍の『本草綱目』という人名と書名を暗記した方もいらっしゃるかと思います。李時珍は明時代の医家であり、『本草綱目』の他に『瀕湖脉学』という脈の本を著し、そしてこの奇経八脈を研究した『奇経八脈考』も著しています。
 『黄帝内経』に既に奇経の話しは出ており、『難経』にもまた奇経のことが記されています。しかし奇経を研究し、重視した書物は少なく、未だに解明されていないところも多くあります。臨床的には公孫-内關、足臨泣-外關、後谿-申脉、列缺-照海という四つのセットを使用した八宗穴治療と呼ばれる簡便なものに利用されたりします。
 しかし、実はそれだけではない深いものが奇経にはあります。奇経とは、縦の経絡である十二正経を結ぶ絡脈の中でも、特異的な働きをするものです。奇経と十二正経との関係は、湖沼と川との関係に喩えられます。十二正経が川としますと、十二正経の川が氾濫をしたとき、その溢れた川の水を逃がしていくのが湖沼である奇経となります。つまり、奇経と正経はお互いを助け合う存在で、お互いの気血を補完しています。
 奇経の研究は、古医書医学に新しい可能性を引き出す古くて新しい分野だと思います。李時珍が研究した『奇経八脈考』を基礎に、奇経の勉強を始めることをお勧めいたします。

『レディース鍼灸 ライフサイクルに応じた女性のヘルスケア』 矢野忠著 医歯薬出版社

『レディース鍼灸 ライフサイクルに応じた女性のヘルスケア』

著者 矢野忠
発行 医歯薬出版社
価格 5250円(税込み)

お薦め度 ☆☆☆☆

女性と東洋医学・鍼灸との相性の良さは、古来より知られています。この本は、女性特有の病気を、現代医学的な視点と、東洋医学・鍼灸医学的な視点の両者で解説しています。女性の患者さんが多い治療院などには特にお薦めです。

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 鍼灸師として、鍼灸の治療の効果を臨床で見ている者として、鍼灸治療という医療が、もっと多くの方に一般的になればいいなと願っていますが、中でも女性と鍼灸の相性はとてもいいので、女性の方にもっと活用していただけるようになればいいなと思います。最近では女性鍼灸師も増え、女性専門の鍼灸治療院も増えていますので、その機運がさらに高まっていってほしいと願います。
 女性の身体は、毎月の生理や、赤ちゃんを産む役目があるなど、とても繊細であります。また女性の場合、一生のライフサイクルの中でも、ホルモンバランスが変化したり、ストレスの環境も変わりやすく、その年代年代によって変化がありますので、治療家としてもその変化を考察しながらしっかりと対応していくことが大切になります。このような身体の微妙な変化は、西洋医学的な数値で現れることも少なく、またそれに対しての治療も、対処療法の域に留まるために、根本的な治療がなされなかったり、治療方法がないと言うことも少なくありません。そしてホルモン剤などによる治療は、女性の身体のライフサイクルとは逆行するものもあり、かえってその副作用に悩まされることも少なくありません。
 このような繊細な女性のライフサイクルに合わせて対処できるのが、東洋医学・鍼灸治療の優れた点でもあります。本書では西洋医学的な知識と、東洋医学的な知識がバランスよく含まれています(どちらかというと西洋医学的知識の方が詳しいところがあります。)。女性の身体に特有な病気、症状などの解説に詳しいので、東洋医学的な治療をメインにしている方にとっても、病気の成り立ちを理解するのにとても役に立つ一冊です。鍼灸臨床家にとって、一冊置いておくと便利だと思います。一般の方で、東洋医学に興味のある方にとっても読みやすい本だと思います。

『古典に学ぶ鍼灸入門』 新村勝資・土屋憲明著 医道の日本

『古典に学ぶ鍼灸入門』

著者 新村勝資・土屋憲明
発行 医道の日本社
価格 不明

お薦め度 ☆☆☆☆

これから古医書の原文(書き下し分ではなく、白文)の読解にチャレンジしようと思っている方にお薦めの本です。古医書の読み方を学びながら、東洋医学・鍼灸の知識を吸収することができる一冊です。

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 鍼灸学校に入りたての頃、東洋医学・鍼灸を学ぶなら、やはり漢文を読まなくてはいけないだろうと思っていました。しかし実際の授業では、現代医学が中心で、古典を読む機会は全くといっていいほどありませんでした。東洋医学概論も、国家試験のための暗記科目で、あまり臨床に活かすための授業になっているとは思いませんでした。こんなことから、東洋医学・鍼灸を学びに来ていながらも、古典的な素養を何も得ることなく鍼灸師になる方も少なくありません。
 現在は、大きく現代鍼と古典鍼に分かれますが、現代鍼に向かう方には古典は必要ないのかもしれませんが、古典鍼に進む方にとっては、必須です(と思っています)。しかし実際のところ、古典鍼に進んでいる方でも、実際に古医書を原文で読む先生は少ないように思います。学生時代、先輩方がどのような勉強をしているのか、古典鍼をしている先生を訪れたときに、「先生は原文で読まないんですか?」と聞くと、「難しいから読まないよ(笑)」と言って、一笑に付されたことがあり、大変がっかりしたことがあります。
 しかしそれもそのはずです、どうやって勉強したらいいのかわからないのですから・・・。

 『黄帝内経(こうていだいけい)』は、東洋医学・鍼灸医学の原典として脈々と受け継がれてきた歴史があり、さらにそこを元にして構築された経絡治療・本治法を学ぶためには、原典に直接触れる必要があると、私は思います。“難しい”からと最初から諦めるのではなく、原典を学ぶ訓練もちゃんとしておくことは大切だと思います。
 そこでこの『古典に学ぶ鍼灸入門』は、原典で読みたいけどまだ早いという段階の人におすすめです。受験時代に漢文を勉強したものの、やはり鍼灸の原典を読むには、その“くせ”を知っておく必要があると思います。鑑賞や技巧を中心にした漢詩などと比べますと、古医書は医学という事実を扱った実用書ですので、難しい修辞法などはあまりないと思います。しかし、事実を扱ったものであるからこそ、意味を取り違えると大変なことにもなります。そういったことからも、これから『黄帝内経』などを原文で当ろうと思う方は、漢文の基礎をおさらいしておく必要があると思います。この本は実際の原文を抜粋しながら、返り点、読み下し分などを丁寧に解説してありますので、東洋医学・鍼灸のことを学びながら、漢文も学べるという一石二鳥の本であります。字の大きさや版の大きさなどもちょうど良く、初歩の方が原文に触れるためには好著であります。この本で漢文の読み方をおさらいしましたら、次はいよいよ原文(漢文)に当ることをおすすめいたします。

『東洋医学見聞録【上巻】』 西田皓一著 医道の日本

『東洋医学見聞録【上巻】』

著者 西田皓一
発行 医道の日本
価格 3360円(税込み)
対象 一般 ☆☆☆
    専門 ☆☆☆☆

- 収録内容 -
〈第1篇〉東洋医学との出合い
〈第2篇〉肩凝りの治療
〈第3篇〉頚椎症の治療~寝違いと鞭打ち症~
〈第4篇〉肩関節疾患の治療
~五十肩、肩の捻挫、打撲、スポーツ障害、関節炎など~
〈第5篇〉腰痛の治療
〈第6篇〉膝関節の治療
〈第7篇〉皮膚疾患の治療
〈第8篇〉ストレス性疾患の治療
〈第9篇〉シャックリの治療
〈第10篇〉逆子(異常胎位)の治療
〈第11篇〉アレルギー性鼻炎の治療
〈第12篇〉気功遍歴  

『東洋医学見聞録【中巻】』 西田皓一著 医道の日本

『東洋医学見聞録【中巻】』

著者 西田皓一
発行 医道の日本
価格 3360円(税込み)
対象 一般 ☆☆☆
    専門 ☆☆☆☆

- 収録内容 -
〈第1篇〉陰陽交叉取穴法
〈第2篇〉頭痛の治療
〈第3篇〉風邪の治療
〈第4篇〉梅核気の治療
〈第5篇〉歯科領域の治療
〈第6篇〉末梢性顔面神経麻痺(ベル麻痺)の治療
〈第7篇〉パニック障害と不眠症の治療~頚叢刺法を用いて~
〈第8篇〉肋間神経痛の治療
〈第9篇〉痛風発作の治療
〈第10篇〉棘下筋症候群の経筋療法
〈第11篇〉上腕挙上障害の治療
〈第12篇〉腕神経叢症候群の治療
〈第13篇〉梨状筋症候群の治療
〈第14篇〉坐骨結節部痛の治療
〈第15篇〉消化器疾患の治療
〈第16篇〉薬食同源

『東洋医学見聞録【下巻】』 西田皓一著 医道の日本

『東洋医学見聞録【下巻】』

著者 西田皓一
発行 医道の日本
価格 3360円(税込み)
対象 一般 ☆☆☆
    専門 ☆☆☆☆

- 収録内容 -
〈第1篇〉膝関節痛の経筋療法
〈第2篇〉肘関節痛(テニス肘など)の治療
〈第3篇〉股関節部痛の治療
〈第4篇〉踵部痛の治療
〈第5篇〉胸肋痛の一鍼療法
〈第6篇〉腰部筋肉の疲れの治療
〈第7篇〉顔面筋痙攣の治療
〈第8篇〉線維筋痛症とその鍼灸治療
〈第9篇〉慢性疲労症候群の鍼灸治療
〈第10篇〉神経症の経筋療法
〈第11篇〉うつ状態の治療
〈第12篇〉泌尿器の慢性炎症性疾患の治療
〈第13篇〉口腔内と口周辺の疾患の治療
〈第14篇〉鼻出血の治療
〈第15篇〉耳鳴の治療
〈第16篇〉内耳性眩暈の治療
〈第17篇〉眼疾患の治療
〈第18篇〉眼保体操
〈第19篇〉皮内鍼について

お薦め度 ☆☆☆☆☆

東洋医学・鍼灸の臨床でよく出くわす症状・病気へのアプローチ方法がまとまっており、すぐに臨床に生かすことができるのが本書の特徴で、3冊揃えると、鍼灸師になりたての頃には重宝するのではないでしょうか。医師でもある西田先生の、長年の研究成果が詰まっています。

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 鍼灸医療・東洋医学の情報月刊誌である『医道の日本』に連載中の、『東洋医学見聞録』を収録した本です。
 著者の西田皓一先生は、西洋医学の医師でありながら、臨床に積極的に鍼灸治療を用いている先生です。西田皓一先生は、1937年生まれで、1963年神戸医科大学卒業。1977年西田順天堂内科(高知県南国市)を開業し,現在に至り、2004年高知大学医学部非常勤講師、2006年高知大学医学部臨床教授を歴任しています。 西田先生は、40年前に西洋医学の限界を感じ、それから東洋医学・鍼灸というものに出会い、現在に至るまで鍼灸・東洋医学、そして西洋医学を併用しながら臨床を行っています。

 本書は、上に示しましたように、様々な疾患を取り上げています。上・中・下巻全てを揃えれば、初心者の場合でも、鍼灸治療を受けに来る患者さんの多くに、条件付きではありますが、一定の(ある程度の)対応はできるようになるのではないでしょうか。
 西田先生の手法は、経絡治療・本治法といったものではなく、昔から言い伝えられている特効穴や、経絡の走向部位による穴、奇穴、阿是穴などを選穴し、そこへの鍼灸治療がメインです。このような標治的な選穴に限界を感じて、本治法の修得に進んだ者にとっては正直物足りなさもありますが、鍼灸学校に入りたての人や、鍼灸院を開業して間もない人にとっては、このような標治的な治療が集められているのは、とてもありがたいものだと思います。また、本治法を修得しようとする方にとっても、こういった本は、経絡のつながりを理解したり、臓腑の関係を理解するためにも役に立つことがあると思います。
 また、西洋医学的な見解なども知ることもできますし、西田先生の臨床経験から感じてきた経験談も、初心者・中級者には重宝します。
 もともと鍼灸・東洋医学の月刊誌『医道の日本』の先頭に連載されているものですので、読みやすく、写真も豊富なので理解もしやすい本ですので、鍼灸・東洋医学を学ぶ人はもちろん、西洋医学で鍼灸や東洋医学を学びたいと思っている人への入門書としても好著だと思います。

参考

LinkIcon著者の西田皓一先生の詳しいプロフィール

『昭和鍼灸の歳月-経絡治療への道』 上地栄著 績文堂

『昭和鍼灸の歳月-経絡治療への道』

著者 上地栄
発行 績文堂
価格 不明

お薦め度 ☆☆☆☆

昭和初期に、柳谷素霊先生の元に集まった、古医書に基づいた経絡治療を志す先生方の物語。この頃の空気を直接味わった世代が少なくなっている昨今、ここに書かれている熱き物語を知ることで、次世代にも受け継いでいきたいという勇気が沸いてきます。

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 鍼灸には様々な流派のようなものがありますが、その中でも、病因病証を基にした古典的な治療は、日本では昭和の初期に復興されました。この古典的な治療を再興するために、「古典へ還れ!」という合言葉を初めに使い、その旗振り役をしたのが、東洋鍼灸専門学校を創立した柳谷素霊です。その合言葉に呼応するかのごとく、そこには野武士のような真摯で無骨な鍼灸師の先生が集まりました。その名を挙げてみますと、井上恵理(いのうえ・けいり)、本間祥白(ほんま・しょうはく)、小野文恵(おの・ぶんけい)、岡部素道(おかべ・そどう)、丸山昌朗(まるやま・しょうろう)などなど・・・。残念なことに、時代の成り行きとともに、こういった先生の名前を聞くことが少なくなり、最近鍼灸学校を卒業した先生の中でも、こういった名前を知っている人は少なくなり、それとともに、経絡治療のあり方もまた変ってきているような気もします・・・。
 話は元に戻りますが、現在、日本の鍼灸界では、古典的な治療をしようとしますと、経絡治療を学ぶことが主流となっています。この経絡治療が、どのような経緯をもってはじまり、そして発展してきたのか。また、現在の日本の鍼灸界そのものが、どのような過程を経てきたのか、そういったことがこの『昭和鍼灸の歳月-経絡治療への道』書かれています。昭和初期の草創期のメンバーのお話や、その後の変遷について詳しく書いています。著者自身も鍼灸師で、経絡治療をしていた方です(すでに故人)ので、そのため内容が細かく、それぞれの人物も鮮明に浮き彫りになっています。経絡治療の息吹を感じるという意味では、とても面白い内容になっています。治療に直接関係する内容ではありませんが、一度目を通しておくと、自分の寄って立つ立ち位置が見えてくるかもしれません。

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アクセス(場所・時間・地図)

源保堂鍼灸院がある表参道の欅通りの木漏れ日。 (C)表参道・青山・源保堂鍼灸院

住所

東京都渋谷区神宮前4-17-3
アークアトリウム101

電話 & FAX

03-3401-8125

開院時間

10:00〜20:00(月・火・水・金)
10:00~17:00(木・土)

お休み

日曜日・祝日

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地下鉄表参道駅から源保堂鍼灸院までの道順。 (C)表参道・青山・源保堂鍼灸院

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表参道駅出口の案内板。 (C)表参道・青山・源保堂鍼灸院

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地下鉄のご利用

  • 銀座線・半蔵門・千代田線「表参道駅」より徒歩6分
  • 千代田線・副都心線「明治神宮前駅」より徒歩10分

※「表参道駅」利用の場合「A2出口」をご利用すると便利です。
※出口からの道順はこのページの一番下に写真入りで説明がございますので、詳しいアクセス情報をご参照ください。
※地下鉄の乗り換え案内はこちらへ。 → 東京メトロ

JRをご利用の場合

  • JR山手線「原宿駅」より徒歩13分
  • JR山手線「渋谷駅」より徒歩15分

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アクセス(お車の場合)

原宿の歩道橋から見た表参道の欅通り。 (C)表参道・青山・源保堂鍼灸院

お車の場合

表参道のメイン通り(欅通り)からですと、道が狭く、車や人の往来がが多いので、外苑前のベルコモンズ横のキラー通りから入っていただくと便利です。
周辺のコインパーキングは地図に記してあるのでご参照ください。
※その他表参道ヒルズ、並木通り沿いにもパーキングがあります。

●治療院までの道順・印刷用PDFファイル→ こちら
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