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【一般・初心者向けの本(3)】 of 書評 表参道・青山・源保堂鍼灸院

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東洋医学・鍼灸を学ぼうby表参道・青山・源保堂鍼灸院
東洋医学・鍼灸の本の書評

一般・初心者向けの本(3)

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『古典に学ぶ鍼灸入門』 新村勝資・土屋憲明著 医道の日本

『古典に学ぶ鍼灸入門』

著者 新村勝資・土屋憲明
発行 医道の日本社
価格 不明

お薦め度 ☆☆☆☆

これから古医書の原文(書き下し分ではなく、白文)の読解にチャレンジしようと思っている方にお薦めの本です。古医書の読み方を学びながら、東洋医学・鍼灸の知識を吸収することができる一冊です。

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 鍼灸学校に入りたての頃、東洋医学・鍼灸を学ぶなら、やはり漢文を読まなくてはいけないだろうと思っていました。しかし実際の授業では、現代医学が中心で、古典を読む機会は全くといっていいほどありませんでした。東洋医学概論も、国家試験のための暗記科目で、あまり臨床に活かすための授業になっているとは思いませんでした。こんなことから、東洋医学・鍼灸を学びに来ていながらも、古典的な素養を何も得ることなく鍼灸師になる方も少なくありません。
 現在は、大きく現代鍼と古典鍼に分かれますが、現代鍼に向かう方には古典は必要ないのかもしれませんが、古典鍼に進む方にとっては、必須です(と思っています)。しかし実際のところ、古典鍼に進んでいる方でも、実際に古医書を原文で読む先生は少ないように思います。学生時代、先輩方がどのような勉強をしているのか、古典鍼をしている先生を訪れたときに、「先生は原文で読まないんですか?」と聞くと、「難しいから読まないよ(笑)」と言って、一笑に付されたことがあり、大変がっかりしたことがあります。
 しかしそれもそのはずです、どうやって勉強したらいいのかわからないのですから・・・。

 『黄帝内経(こうていだいけい)』は、東洋医学・鍼灸医学の原典として脈々と受け継がれてきた歴史があり、さらにそこを元にして構築された経絡治療・本治法を学ぶためには、原典に直接触れる必要があると、私は思います。“難しい”からと最初から諦めるのではなく、原典を学ぶ訓練もちゃんとしておくことは大切だと思います。
 そこでこの『古典に学ぶ鍼灸入門』は、原典で読みたいけどまだ早いという段階の人におすすめです。受験時代に漢文を勉強したものの、やはり鍼灸の原典を読むには、その“くせ”を知っておく必要があると思います。鑑賞や技巧を中心にした漢詩などと比べますと、古医書は医学という事実を扱った実用書ですので、難しい修辞法などはあまりないと思います。しかし、事実を扱ったものであるからこそ、意味を取り違えると大変なことにもなります。そういったことからも、これから『黄帝内経』などを原文で当ろうと思う方は、漢文の基礎をおさらいしておく必要があると思います。この本は実際の原文を抜粋しながら、返り点、読み下し分などを丁寧に解説してありますので、東洋医学・鍼灸のことを学びながら、漢文も学べるという一石二鳥の本であります。字の大きさや版の大きさなどもちょうど良く、初歩の方が原文に触れるためには好著であります。この本で漢文の読み方をおさらいしましたら、次はいよいよ原文(漢文)に当ることをおすすめいたします。

『口語 養生訓』 貝原益軒著 松宮光伸翻訳 日本評論社

『口語 養生訓』

著者 貝原益軒
翻訳 松宮光伸 
発行 日本評論社
価格 2415円(税込み)

お薦め度 ☆☆☆☆

平易な現代語訳で読みやすくなっていますので、原文よりも中身を知りたい方にはお奨めです。本書はハードカバーです。

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『養生訓・和俗童子訓』 貝原益軒著 石川謙翻訳 岩波文庫

『養生訓・和俗童子訓』

著者 貝原益軒
翻訳 石川謙 
発行 岩波文庫
価格 735円(税込み)

お薦め度 ☆☆☆☆

最もオーソドックスなものだと思います。原文もあります。文庫本なので、電車に乗りながら読めるのでお忙しい方にもお奨めです。

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 江戸時代前半の時代を生きた貝原益軒(1630年12月17日~1714年10月5日)。儒学者としても著名であり、生涯に渡り著した書物の数は六十部二百七十余巻に及び、様々な分野に博識であったそうです。益軒が著した書物の中でも、最も多くの人に親しまれ、そして今日まで彼の業績を語る上で最も有名なものが、『養生訓』ではないでしょうか。
 彼自身は83歳の天命を全うしましたが、当時としてはかなりの長命であり、また、最後まで健康であり、まさに“長寿を全うする”ことを自ら体現したともいえます。
 『養生訓』の内容は平易なことも多いのですが、改めて読むことでその平易さの中にある奥深さを知ることができます。人が健康に一生を過ごすということは、江戸時代にあっても、現代にあっても容易なことではありません。しかし、貝原益軒は自ら実践して養生の大切さを現代に伝えています。
 現代に生きる知恵としても、とても役に立ち示唆に富んだ内容になっています。益軒は医学を専門にしたわけではありませんが、『大和本草』を現したり、また『養生訓』の中でもいくつか中国の古医書を引用していますので、その内容には信頼性があり、東洋医学の基本的な見方を知ることもできます。初心者的に読むこともできますし、ある程度知識が豊富になったところで読み返しても新たな発見がある本です。

『養生訓ほか(中公クラシックス)』 貝原益軒著 松田道雄翻訳 中央公論新社

『養生訓ほか(中公クラシックス)』

著者 貝原益軒
翻訳 松田道雄 
発行 中央公論新社
価格 1575円(税込み)

お薦め度 ☆☆☆

新書の大きさで読みやすいフォントを使っています。残念ながら原文がないので☆三つですが、貝原益軒の『楽訓』を通して読めるのは現在これだけのようなので、貴重な一冊です。

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 貝原益軒は、最晩年に『楽訓』という本を書いております。この本の内容は、そのタイトル通り、人生を楽しむライフスタイルを提案したもので、時間に追われたり、仕事に追われる現代人にも、“楽に生きる”ことの楽しさを伝えてくれます。『養生訓』があまりにも有名なために埋もれてしまっていますが、この『楽訓』もまた、多くの人に読んでいただきたい内容です。

 こちらの『養生訓ほか(中公クラシックス)』は、『養生訓』だけではなく、『楽訓』も収録されていますので、両者を読みたい方にはお奨めです。どちらも平易な現代語で書かれています(原文はありません)。

『まんが黄帝内経-中国古代の養生奇書』 張悌著 医道の日本社

『まんが黄帝内経-中国古代の養生奇書』

著者 張恵悌著
発行 医道の日本社
価格 1470円(税込み)

お薦め度 ☆☆☆☆

東洋医学・鍼灸医学の原典である『黄帝内経』を、大雑把ではありますが、イラストによって全体をイメージして捉えることができます。東洋医学・鍼灸を学び始めた頃に、古典への扉として手にしたい一冊です。

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  東洋医学・鍼灸の原典である『黄帝内経』は、前漢の時代に完成されたといわれており、その内容はとても深く広く、身体の生理学、病理学、治療学、養生学など、身体についての総合書となっています。東洋医学・鍼灸医療の理論背景には陰陽論、五行論などの中国思想が深く関わっていますが、そういった理論・思想を基盤にしながら徐々に身体と病気を理解し、医療として発展しました。2000年もの前にすでに医学として体系化されていたことには驚きに値します。現在も廃れることなく、東洋医学や鍼灸の臨床で頻繁に活用されており、現在でも“原典”として燦然と光を輝かせています。
 伝統的な鍼灸をしている方はもちろん、現代的な鍼灸をしている方にとっても、東洋医学・鍼灸医学を志し、実践しているのであれば、原典中の原典であるこの『黄帝内経』を避けて通ることはできないと思われます。
 しかし、『黄帝内経』の原著はもちろん当時の漢文で書かれており、かつ簡潔に書かれているため、初心者にとって最初から読むことは困難です。いきなり難解なものに手を出してこれはとても読めないと投げ出してしまうと、今後『黄帝内経』を手に取ることすらなくなってしまいますので、その前に、まずは古医書の考え方に馴染むことも、初期の段階では大切でもあります。この『まんが黄帝内経-中国古代の養生奇書』は、『黄帝内経』の基本的な考え方で、重要なものをわかりやすく漫画形式で描いてくれています。まずは楽しみながら親しんでみる、そしていつか原著を読む前の橋渡し役という意味では、なかなかの好著だと思いますので、初めて『黄帝内経』に触れる方にもお奨めです。
 古医書医学を志す者としては、あくまで原著に当たれるようになることが、今後の心構えとして大切ですので、いつかはこの本は卒業し、徐々に原典に触れるように心がけておくとよいかと思います。

『図解入門 よくわかる黄帝内経の基本としくみ』 左合昌美著 秀和システム

『図解入門 よくわかる黄帝内経の基本としくみ』

著者 左合昌美
発行 秀和システム
価格 1890円(税込み)

お薦め度 ☆☆☆

『黄帝内経』の基本を理解するのによい本です。一般的な入門書というよりは、東洋医学や鍼灸医学を専門的に学び始めた初心者の方に特にお薦めです。少し著者自身の個性的解釈が入っているので、その分、☆三つになります。

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 最近では鍼灸に限らず、エステや美容の世界でも“東洋医学”という言葉が使われるようになりました。しかしながら、実際に東洋医学の神髄がそこに活かされているのかというと、正直疑問なところもあります。このような現状を見るにつけ、個人的には、東洋医学・鍼灸を看板に出している者は、その原点である『黄帝内経』を読むことは必須であると思います。それは、そこに東洋医学の神髄があり、そこから発展してきた医療だからです。
 東洋医学に流れる思想や哲学、また時代の風雪を耐えてきた歴史を感じるためにも、できれば原文で読むことが望ましいと思います。原文はお手上げだという人も、少なくとも原文の読み下し文など、欠けることなく通読しておくことをお奨めいたします。

 しかしながら、いきなり原文に当たるのは困難です。原文そのものは簡潔に書いてありますし、基本的な用語や概念を知っていないと、理解しながら読み進めていくことはなかなか難しものです。そこでまずは、原文に当たる前の段階として、『黄帝内経』が書かれた思想的背景を、大まかでも把握しておく必要があります。そのためには入門書が必要となりますが、では、入門だから入門書は簡単に書かれていればどれでも良いとうわけではありません。東洋医学・鍼灸を学ぶためには、最初に手にする本こそ大事になります。最初に読んだ入門書が、あまりに稚拙だったり、間違ったものであったり、著者の個性がですぎていたりしますと、それが後々まで自分の癖として固まってしまい、新たな本を読んだときに融通が利かなくなることがあります。そこで入門書こそ、大切に選びたいものです。

 ここに紹介しまた『図解入門 よくわかる黄帝内経の基本としくみ』は、日本内経医学学会に所属する左合昌美先生が書いた者で、入門書として図解も多いので理解しやすいと思います。ただしあくまで入門書でありますので、その息での理解のための本と思っておいた方がよいでしょう。また、この本は、臨床をしている先生が書いた本と言うよりは、『黄帝内経』の研究者としての本という印象を受けますので、あくまで『黄帝内経』の基本的概念を理解する本という利用が良いかと思います。

『漢辞海』 濱口富士雄著 戸川芳郎編集

『やさしい中医学入門』 関口善太著 東洋学術出版社

著者 関口善太
発行 東洋学術出版社
価格 2730円(税込み)

お薦め度 ☆☆☆☆

必要最小限ではありますが、必要不可欠な東洋医学の基礎理論を、図やイラストともに分かりやすく解説している好著。ごく初歩的な方から、少し勉強が進んだ方にとっても全体を把握しなおしたり、確認するのにいい本です。

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 東洋医学・鍼灸医学を理解し、実践していくためには、東洋医学の五臓六腑や気血営衛といった独特の生理学を十分に把握しておく必要があります。現代医学の理解と重なるところもたくさんありますが、重ならない昨日解剖学的なところは、特に注意して学ぶ必要があると思います。

 五臓六腑に関していえば、例えば「心は神を蔵す」「心は血脈を主どる」など、それぞれの臓器にいくつかの働きを定義しています。各五臓六腑の働きが異常になることで病気が起きますので、この働きを覚えておくことは、どれだけからだが悪い方向に傾いているかをしるための、臨床の基準になります。
 この五臓六腑がそれぞれ持っている働きを覚え、理解することは割りと容易ですが、単体だけで起きる病は少ないので、これだけでは臨床に不十分です。ここからさらに進んで、五臓六腑がどのような結びつきをし、どのような働きを享受しているのかを網羅していくことが必要となります。例えば血に関してですが、「肝は血を蔵す」と言い、「脾は血を統制する」とも言います。血という身体の中を巡る物質に対して、肝と脾の両者がどのような関係でつながっているのかは、五臓六腑の単体の生理学だけでは理解が難しいところがあります。そこで、同じ血に対して、肝と脾の両者がどのように関わっているのかを把握していかないといけません。このような微妙な違いを理解、把握することは、そのまま臨床での病気の把握と治療方法の選定につながっていきます。

 本書は各項目に、四角で囲った要約があり、次に解説文、そしてその解説文をまとめた各臓器間の関係図がついております。この関係図は、体全体を把握するためのチャートです。東洋医学・鍼灸医学の理解を深め、臨床に役立つ知識を身につけるために、文章を読みながら、この図もしっかりと頭に入れることをお薦めいたします。
 本書はタイトルに“中医学”という名称が入っていることからも分かるように、中医学を基礎にした解説です。中医学は、現在中国でスタンダードに学ばれている中国医学の基礎理論で、その体系に癖はなく、過不足なく学べますので、経絡治療の方でも、現代鍼の方でも、利用価値のある内容となっています。